女子サッカー3部リーグ「ノルディーア北海道」の元選手2人が12日、在籍中に元監督(49)からセクハラを受けたとして、元監督と同チームを運営する一般社団法人ノルディーア北海道に、慰謝料計1千万円を求める訴訟を札幌地裁に起こした。北海道新聞などが伝えた。
同紙や毎日新聞によると、訴訟を起こしたのは21歳と22歳の元選手で、2013年10月、練習後に「泊まっていけ」などと言われ、元監督の自宅に宿泊。元監督は、21歳の元選手に対しては性的な質問をしたり、抱きついたりし、22歳の元選手に対しては、抱きついたり、キスを迫ったりしたという。
2人が15年5月、ノルディーア北海道側に改善を要求したところ、元監督が同月に辞任。一方、2人は同年中に練習態度などを理由に退団させられたという。
元選手らは提訴後に記者会見を開き、「選手を退団させて問題を隠そうとするのは許せない」(北海道新聞)、「セクハラは日常的で、なでしこリーグを目指し頑張っていたのに夢を壊された」(日本テレビ)などと訴えたという。
報道を受け、ノルディーア北海道は13日、公式サイトで「報道について」という文章(12日付)を掲載。「この度、ノルディーア北海道もしくは前々監督が元選手2名に訴訟を起こされました。内容は前々監督からのセクシャルハラスメントによるものと、クラブの対応によるものと推測されます。訴訟状は現時点で届いておりませんので、これ以上はお伝え出来る事はありませんが新体制のクラブとして誠意のある対応をしたいと思っております」などとコメントした。
さらに、「既に報道されているものもありますが、最新で正確な情報が入り次第お伝えしたいと思います」とし、「当クラブの事情でご心配・ご迷惑をおかけして申し訳ございません」と謝罪。「今できる最善を尽くしたいと思います」としている。
毎日新聞によると、セクハラを訴えられた元監督は今年2月、コンサドーレ札幌と提携するタイ男子リーグ「コンケーンFC」の監督に就任している。
ノルディーア北海道の公式サイトによると、コンケーンFCの監督に就任した元監督は、北海道室蘭市出身の三浦雅之氏。三浦氏がコンケーンFCの監督に就任したことを知らせる文章では、三浦氏について「2015年4季ぶりの全国リーグ参戦を果たすも、5月戦績不振の責任を取り辞任、以降は指導者の道を探りつつ片や起業し、道内外で経営者として北海道ブランドの構築に尽力すべく活動をしていたところです」と説明。「ノルディーア北海道としてもこれを機に、サッカーを通じた北海道ブランドの構築と云う今後の目標を共有しながら、氏の今後の活動に注目していきたいと思います」などとしていた。