南山大学(愛知県名古屋市)は5日、同大短期大学部の募集を2017年度以降停止することを同大ホームページで発表した。1月29日に開催された同学園の理事会で決まった。
短期大学部の前身、南山短期大学は1968年、英語科1学科で設立され、73年には人間関係科を増設した。その後2学科体制のもとで運営し、特徴ある教育で多くの卒業生を輩出してきた。しかし、社会情勢の変化に伴い、2000年に人間関係科が南山大学人文学部心理人間学科へと移行され、11年には南山大学短期大学部に名称変更されることになり、今回の募集停止に至った。
文部科学省の「学校基本調査」によると、短期大学は14年度時点で全国に約350校あり、1996年の598校をピークに減少を続けている。募集を停止する短期大学のほか、4年制大学に併設されている場合はそのまま学部に統合されたり、4年制大学化されたりしているという。同大では、17年度に新しく国際教養学部の設置構想を進めており、短期大学部についても「実践的な英語教育及び国際性の伝統は、平成29年度設置予定の国際教養学部に受け継がれることになる」と話す。
南山大学は1949年、「Hominis Dignitati(人間の尊厳のために)」を教育モットーとし、1学部4学科でスタートした。以来60余年を経た今日では、今回募集停止を決めた短期大学部を含めて8学部17学科を擁する総合大学に発展した。共学の大学としては中部唯一のカトリック系ミッションスクールとしても知られる。