カトリック中央協議会は、21日に教皇フランシスコがユスト高山右近の列福を正式に承認したことを受けて、公式サイトで「ユスト高山右近」を特集。その列福の意義について述べるとともに、さまざまな角度から、その霊性について紹介していくという。
同協議会はその列福の承認について、「この決定は、キリシタン大名として名高いユスト高山右近の信仰の意義を、教会内外に知らせる貴重な機会です」と述べている。
同協議会は、「右近が選び続けた道は、福音を聴いて神に従う生き方です」などと述べ、「右近の列福を機に、日本の教会は、右近があかししたイエス・キリストの福音は、確かに信じる価値があり、現代社会に大きな光をもたらすことを力強く訴えていけるでしょう」と結んでいる。
日本カトリック司教協議会会長の岡田武夫・東京大司教は22日、「ユスト高山右近の列福の承認に当たって」と題する談話を発表。「イエス・キリストにおいて兄弟姉妹の皆様」に対し、右近は「世の富や名誉、権力に勝って、神の愛こそが、人を幸せにすることを革新しました。そしてどのような誘いや迫害にあっても、また祖国を追われても、その確信に生き、生涯を閉じた人です」などと述べている。
その上で岡田会長は、「時代は大きく変わっても、そのメッセージは、変わることなく、私たちの信仰を強め、福音宣教への力になることと確信します。右近をとおして神から与えられためぐみについて深く思い巡らし、感謝しながら、列福式の準備を進めて参りましょう」という呼び掛けで談話を結んでいる。
カトリック中央協議会によると、日本のカトリック司教団は1949年から右近の列聖列福運動に取り組み、60年以上の時間をかけて準備を続けてきたという。また、2003年2月には「ユスト高山右近の列福を求める祈り」を日本カトリック列聖列福特別委員会が認可。右近の列聖列福を求める強い要望をバチカンに届けようと募金活動を行ってきた。
同委員会はまた、右近の霊性をいっそう深く知り、信仰生活に役立てることのできる小冊子『現代にひびく右近の霊性』を発行した。そして2014年には同委員会の監修による古巣馨著『ユスト高山右近 いま、降りていく人へ』(ドン・ボスコ社刊)が発刊され、さらに高山右近のテーマ曲や小冊子『ユスト高山右近~その生涯と霊性~』、そして右近の生涯を解説した「展示用バナー(のぼり)」(7本組)を制作した。
そして昨年6月と9月には、「高山右近と南蛮音楽 安土桃山時代 南蛮(ルネサンス)の音楽」をテーマとした講演と演奏がカトリック芦屋教会聖堂と高槻教会でそれぞれ順に行われた。さらに、ユスト高山右近の列聖運動のシンボルマークを同年11月20日まで公募していた。その他にも、講演会や記念シンポジウムなど数多くの関連イベントが行われてきた。
なお、同協議会によると、ユスト高山右近列福祈念ミサが2月7日(日)午後2時より大阪カテドラル聖マリア大聖堂(大阪市中央区)で予定されているという。詳しくはカトリック大阪教区本部事務局(06・6941・9700)へ。