水産物販売会社「若松魚類」(福島県会津若松市)が、消費期限が約5カ月過ぎたサンマのすり身を納品し、サンマのすり身を使った料理を給食で食べた福島県下郷町の小学校と中学校の計2校で、児童・生徒と教員の合わせて87人が21日、集団食中毒にかかった。国内主要各紙が伝えた。
朝日新聞によると、若松魚類は昨年8月27日、岩手県の加工業者から、消費期限が同29日のサンマの冷蔵すり身45キロを購入。担当者が表示ラベルをはがして冷凍保存した。約5カ月後の今月21日になって、45キロのうち14キロを別の業者を経由して、下郷町の学校給食調理場へ納品したという。
21日の給食からは、アレルギー反応を引き起こす物質「ヒスタミン」が検出された。福島県は、ヒスタミンがサンマのすり身からのもので、これが食中毒の原因だとして、23日から2日間、若松魚類を営業停止処分とした。
同紙やNHKによると、2校の児童・生徒と教員377人のうち、教員3人を含む87人に、発疹や唇のかゆみ、頭痛などの症状が出た。現在、いずれも回復に向かっているという。
若松魚類によると、担当者が「冷凍すれば消費期限は延びる」(NHK)と考え、「もったいないと思ってやってしまった」(同紙)と説明しているという。
若松魚類は、水産物販売会社「郡山水産」(福島県郡山市)の関連会社で、郡山水産のホームページによると、2013年1月に設立し、同年3月から営業している。