福島県鏡石町の県立岩瀬農業高校周辺で今月末、カラスの死骸が大量に見つかった問題で、福島県は28日、死骸のカラスの5羽の胃の内容物と、そばに落ちていた油揚げから、有機リン系殺虫剤「シアノホス」が検出されたと発表した。福島民友などが伝えた。
同紙によると、国立環境研究所が検査を行い、5羽のカラスの胃の内容物からは51~750ppmのシアノホスが検出され、油揚げからは5万1000ppmと高濃度のシアノホスが検出された。一方、県ではシアノホスの致死量については知見がないため、死因との関係は不明としている。今後、獣医らに相談して対応するという。
別のカラス9羽では鳥インフルエンザの遺伝子検査も行われたが、全てが陰性だった。また、福島県中家畜保健衛生所では細菌検査や病理検査も行ったが、死因となるような細菌や異常は確認できなかったという。
岩瀬農業高校周辺などでは、今月21〜25日の間にカラスの死骸計86羽が見つかっていた。
シアノホスは、市販されている有機リン系殺虫剤で、果樹園や畑で農薬として使われている。2013年に横浜市内の路上でカラス20羽が死骸で見つかる問題があったが、この時も一部のカラスの胃の内容物からシアノホスが検出されていた。