約束を信じた人々
「カレブの会」代表 小川吾朗
85歳でもなお壮健であったカレブの生涯の特徴は、40歳の時に与えられた神の約束を信じ続け、年老いても「あの日に約束されたこの山地を私に与えてください」と願う信仰の生き方にありました(ヨシュア記14:6~12)。私が「カレブの会」でお会いした方々もまた、リタイア後も御言葉の約束を信じ、それぞれが置かれた場所で、豊かな実を結ぶ現代のカレブのような方々でした。切り株から芽を出す「カレブの会」のロゴマークは、そうした信仰の人々のスピリットを表現しています。
「カレブの会」には、二つの目的があります。一つは、「主から夢を頂き、夢の実現のために互いに助け合う」ことです。「カレブの会」の人々の夢は、主の祈りの一節が形となって現れているようです。
「御国が来ますように。みこころが天で行われるように地でも行われますように」(マタイ6:10)
愛が冷えてゆくように感じられるこの地で、一人一人がユニークに用いられ、その方を通して御国が具体化する。ユニークで多様だからこそ、多様な人々の必要に応え、それぞれが置かれた場所で実を結びます。私たちは互いにできることをもって、その働きに加えさせてもらう。それが「カレブの会」です。
二つ目は、「人生のソフトランディング(軟着陸)を助け合う」ことです。私たちはみな、退職後のさまざまな不安を抱えています。夫婦や家族関係の在り方、体力の衰え、病、経済のこと、伴侶との離別、孤独等々。この世の人々が行く同じ道を歩みます。「夢」がコインの表だとすれば、弱さを味わう「軟着陸」はその裏面です。幸いなことに、この弱さは私たちを成熟へと導いてくれるだけでなく、しばしば夢と使命を与え、御国を広げる道へと導いてくれるのです。「カレブの会」はこうした弱さをも分かち合い、助け合いたいと願っています。
振り返ると、「カレブの会」も弱さから生まれました。私が50歳で膠原(こうげん)病を患ったとき、リタイアしたタスマニアの医師が私たちを招き、彼の賜物と貴重な経験を生かし、私たちの回復を助けてくださいました。彼らのその模範を見て、「カレブの会」のビジョンを頂きました。
帰国後14年間は休眠状態でしたが、団塊世代の退職問題(「2007年問題」)が世を騒がしていたとき、このビジョンが再び目覚めたのです。退職問題は困った問題ではなく、神の国が広げられてゆく機会と捉え、祈り始めました。
40日祈祷の後、「わたしはあなたとともにいる。これがあなたのためのしるしである」(出エジプト記3:12)の御言葉を頂き、2006年12月2日、東京でスタートしました。その後、「カレブの会」のビジョンは宇都宮、仙台、西宮へと、御霊の風に乗って運ばれ、今ゆっくりと広がり続けています。本連載は、神の御言葉に導かれ、神と人に最後までお仕えする人々の、ユニークに輝く信仰のストーリーです。
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【書籍紹介】
カレブの会編『この時 聖書を開いた―31人に訪れた神の祝福―』
私たちはみな、退職後のさまざまな不安を抱えています。夫婦や家族関係の在り方、体力の衰え、病、経済のこと、伴侶との離別、孤独等々。この世の人々が行く同じ道を歩みます。「夢」がコインの表だとすれば、弱さを味わう「軟着陸」はその裏面です。幸いなことに、この弱さは私たちを成熟へと導いてくれるだけでなく、しばしば夢と使命を与え、御国を広げる道へと導いてくれるのです。
現役で働いている方にとっては、示唆に富んだ言葉に、生き方の確かなヒントやアドバイスが与えられます。同世代の人にとりましては、生きる勇気や力が湧き上がり、その励ましを共有できる本です。
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目次
巻頭言 約束を信じた人々 「カレブの会」代表 小川 吾朗
私が教えられたこと①
一章 愛・希望・勇気を人間関係から学んで
営業経験を生かした人脈造り 市村昌三郎
古里伝道を目指して 遠藤 誠一
なくなる食物のためではなく 香川 和生
三つのチャレンジ 北原 祥光
聖句 隣人を愛しなさいは、私の人生の永遠のテーマです 佐藤 文紀
教育の原点は愛にあり 原田 浩司
仕事と人生 本田 英一
キリストに接木されて 山本 文夫
主ご自身が、私たちの心を慰め強めてくださる 横倉 順治
仕える者に 吉田 富次
私が教えられたこと②
二章 クリスチャンビジネスマンの使命を与えられて
三回のリストラからの奇跡的な解放 秋山 幹生
定年ではなく、墜落による退職とその後 伊藤 博康
一所懸命から一生懸命へ 志田 保夫
クリスチャンビジネスの原点 棚沢 英樹
神様が示される道を求めて 田宮 清
私は〝スルメ〟 根田 裕道
存在感のある人になる 八尋 隆幸
主の恵み・世と誠実にかかわる 山田 貫司
権威に従う 星野 隆三
私が教えられたこと③
三章 主と共に夢実現の道を歩んで
いつも相談に応じてくださる神さまに感謝! 伊藤 紘一
クリスチャンの「コレクティブハウス」を創ろう 江波戸啓悟
神様の深いご配慮に守られて 加々美 要
退職経験から学んだこと─主の救いと導きに感謝─ 神山 武
数々の試練を通して与えられた教訓 門谷 晥一
困難を極めた就職活動・悪戦苦闘の日々と神様の恩寵 来間 幸夫
御言葉が示すミッションとビジネスの成功法則 田口 誠弘
私たちの心は燃えていたではないか 谷 雅史
傘寿を迎えて 西山 久生
ビジネス経験が退職後の別世界に生かされる 畠山 義則
「主と同行二人」で歩む 藤田 達雄
主の恵みに生かされて。リタイアの前、直後、そして今 吉野 輝雄
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カレブの会
切り株から芽を出す「カレブの会」のロゴマークは、リタイア後も御言葉の約束を信じ、それぞれが置かれた場所で、豊かな実を結ぶ現代のカレブのような人々のスピリットを表現している。「主から夢を頂き、夢の実現のために互いに助け合う」こと、「人生のソフトランディング(軟着陸)を助け合う」ことを目的に2006年12月に活動を開始。そのビジョンは宇都宮、仙台、西宮へと、御霊の風に乗って運ばれ、今ゆっくりと広がり続けている。