長崎大学病院(長崎市)産婦人科の50代の女性医師が昨年7月、生理不順を訴え受診しに来た重度の知的障がいのある20代の女性患者に対し、「将来、彼氏も結婚もできないでしょ」などと差別と受け取れる発言をしていたことが分かった。朝日新聞と産経新聞が伝えた。
朝日新聞によると、昨年7月に女性と母親が診察を受けた後、産婦人科の女性医師から「生理は何のためにあると思いますか。子を産むためでしょ。将来、彼氏も結婚もできないでしょ」と言われたという。翌8月に、母親が医師の発言について意見箱に投書。病院は医師を注意したが、女性側には連絡はしなかったという。母親が12月に病院側に説明を求め、産婦人科の別の医師が、不適切な発言だったとして謝罪した。
一方、産経新聞によると、昨年8月の意見箱への投書で問題の発言が発覚した際、女性側に連絡しなかったのは担当者のミスだという。12月の謝罪の際には、対応の不備も含めて謝罪したという。
朝日新聞によると、発言をした医師は、妊娠や診療の心配がないことを伝えようとしての発言だったなどと話している。長崎大学病院の増崎英明院長は同紙に対し、「配慮を欠いた説明により誤解を招き、たいへん遺憾」などとコメントした。