NTT東日本札幌病院(札幌市中央区)は3日、2日までに計約1万3000錠の睡眠薬「ゾルピデム錠」が紛失していることが判明したと発表した。最近の数カ月間、通常の使用量を大幅に上回るゾルピデム錠が購入され、実際の使用量とも懸け離れており、病院内を調べたが発見できなかったという。
これを受け、NTT東日本札幌病院は3日、ゾルピデム錠の大量紛失について札幌市保健所に報告するとともに、札幌中央警察署にも届け出たという。
NHKや共同通信の報道によると、通常の5倍程度に相当する1日200〜300錠のゾルピデム錠の発注が、7月から11月にかけてあったという。NTT東日本札幌病院には15人の薬剤師がおり、そのうちの1人が1日、異常発注に気付いたという。現在病院では、薬剤師への聞き取り調査などを進めている。
ゾルピデム錠は、脳の興奮状態を鎮め、寝付きをよくする働きがあり、通常、不眠症の患者に処方される睡眠導入剤。重大な副作用としては、薬物依存や意識障害、一過性前向性健忘、呼吸抑制、肝機能障害が報告されている。致死量は、開発時のラットによる非臨床試験を基に換算すると、体重50キロではゾルピデム錠(10ミリグラム)で3000〜5000錠程度と考えられるという。