テキーラの瓶約1000本に覚せい剤を溶かし込み密輸したとして、会社役員のメキシコ人(42)とテキーラの瓶を受け取る予定だったとされる日本人(38)の男2人が、覚せい剤取締法違反(営利目的密輸)などの容疑で逮捕された。毎日新聞と読売新聞が捜査関係者への取材で判明したと3日伝えた。
両紙によると、メキシコから貨物船で運ばれてきたテキーラの瓶約7200本のうち、約1000本に覚せい剤水溶液が入っていたという。溶かし込まれていた覚せい剤の量は計約150キロと推定され、末端価格で約105億円に相当するという。
逮捕容疑は、2人が共謀して8月31日、メキシコからの貨物船で、覚せい剤計約1・3キロを溶かした液体をテキーラの瓶8本に入れて隠し、密輸したというもの。2人は、テキーラの瓶の中身が覚せい剤水溶液だとは知らなかったと話し、容疑を否認しているという。
覚せい剤の密輸では、11月8日、ウガンダからドバイ経由で成田空港に入国したウガンダ国籍の男(45)が、コーヒーの袋に覚せい剤約20キロ、末端価格で約14億円相当を隠し入れ、密輸しようとしたとして逮捕されている。これは、個人による覚せい剤の密輸量としては過去最大の量だった。
一方、今回摘発された覚せい剤約150キロの密輸は、今年の覚せい剤の摘発量としては最大規模だという。