国が認めていない方法で血液製剤を製造していたことが明らかになった一般財団法人「化学及血清療法研究所」(化血研=熊本市、宮本誠二理事長)が、国の調査をすり抜けるため、偽の書類を作って紫外線を浴びせて変色させることで、書類の作成時期を古く見せる隠蔽工作をしていたことが分かった。読売新聞などが伝えた。
化血研はこの問題で9月、外部委員のみによる第三者委員会を設置し、調査を行ってきた。第三者委員会による調査が終了し、化血研は11月25日に調査報告書を受領。12月上旬に予定されている第7回薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会運営委員会で報告した後、化血研のホームページで調査報告書を開示する予定としている。
同紙は、2日午後に開かれる厚労省の専門家委員会で調査報告書の内容が報告されると伝えており、2日午後以降にも調査報告書が化血研のホームページで開示されるとみられる。
化血研は、血液製剤を製造する過程で、国が認めていない血液凝固を防ぐ物質を添加していたほか、熱を加える時間を変えるなどの不正を行っていたとされている。共同通信によると、製造方法を調べる国の調査でこの不正が発覚しないよう、偽の記録や書類を作成していたという。
同通信は、最終報告書を受け、厚生労働省は近く、化血研への立ち入り調査を行い、行政処分を下す方針と伝えている。