新潟県に住む60代男性の体内からカーゼが見つかった。調べた結果、男性が新潟県立坂町病院(同県村上市)で37年前に手術を受け際に取り忘れられたものだったという。坂町病院が18日に発表し、国内各紙が伝えた。
坂町病院の発表によると、男性は今年11月、他の病院で腹部の腫瘍(しゅよう)を切除する手術を受けた。この腫瘍は、体内に侵入した異物の周囲に細胞が固まってできる肉芽腫で、中からガーゼが見つかったという。その後、手術を行った病院から坂町病院に連絡があり調べたところ、男性が坂町病院で37年前の1978年に手術を受け、その後腹部の手術を受けていないことが分かったという。
病院は既に男性本人と家族に説明して謝罪しており、今回、男性と家族の同意の下、新潟県の規定に従って発表した。
産経新聞によると、体内で見つかったガーゼは塊になり広げられない状態だったというが、数センチ角の止血用とみられる。一方、78年に男性を手術した医師は既に亡くなっており、カルテも保存期間を過ぎて破棄されていたため、なぜガーゼの取り忘れが起こったのか詳しい原因は分かっていないという。
坂町病院は今後、同様の医療事故が発生しないよう、使用したガーゼの枚数の確認の徹底や、レントゲン撮影によりガーゼの取り忘れがないかの確認を行うとしている。