国連は5日、中央アフリカで活動する平和維持活動(PKO)部隊の要員が、同国の首都バンギで未成年の少女4人に対して性的暴行を加えた疑いがあることを発表した。
国連児童基金(ユニセフ)のバンギ事務所の所員が先週、少女4人と面会し、現地の協力者と共に少女たちの医療的・精神的なケアを行っているという。国連は現在、調査中として、関与した要員の人数や出身国、暴行の時期などは明らかにしていない。
国連の発表によると、中央アフリカに駐留する国際部隊の兵士による性的暴行をめぐっては、2014年春、食料や金銭と引き換えに多数の少女たちが被害に遭っていることが明るみに出た。この際は、暴行を加えた多くがフランス軍兵士だったという。一方、これらのフランス軍兵士は、PKO部隊所属ではなく、国連安全保障理事会の承認の下活動していたフランスの「サンガリス作戦」の部隊に所属していた。
AFP通信の昨年9月の報道によると、国連は昨年8月、中央アフリカに駐留するPKO要員らが、計13件の性的暴行に関与した疑いがあると発表。このうち9件については、11歳の子どもを含む未成年者が被害に遭っていたという。
中央アフリカでは2013年初め、イスラム教系の反政府連合グループ「セレカ」と、キリスト教系の武装グループ「アンチバラカ」による対立が激化し、数千人が死亡、多くの人たちが住居を追われる事態が発生した。これを受けて国連は14年、中央アフリカでPKO活動として「国連中央アフリカ多面的統合安定化ミッション」(MINUSCA)を始め、現在1万1000人の要員が駐留している。