新潟県新発田市で女性4人を相次いで襲い、そのうち1人を死亡させ、さらに裁判所から一時逃走するなどして、強姦致死を含む5つの事件で起訴されていた無職、喜納尚吾(きな・しょうご)被告(32)=同市=の裁判員裁判の判決が10日、新潟地裁であった。判決は求刑通りの無期懲役だった。複数の国内メディアが伝えた。
報道によると、喜納被告は2013年8〜12月、新発田市内で当時10〜30代の女性4人を襲った。このうち同年11月に襲ったパート従業員の女性(当時22)については、女性を新発田市内の路上で刃物のようなもので脅して車で連れ去り、強姦して死亡させたとして、強姦致死罪に問われていた。女性は翌14年4月に新発田市内の雑木林で遺体で発見された。
さらに喜納被告は14年6月、勾留質問の手続き中に新潟地裁の窓から一時逃走し、警官に取り押さえられるなどした。
弁護側は、死亡した女性を除く3人の女性を襲った強姦罪などについては、情状酌量を求めたが、死亡した女性については、容疑を否認していた。NHKや日本テレビの報道によると、検察側は女性の下着から検出されたDNAの鑑定結果や遺体の傷などの状況証拠から、喜納被告の犯行であると主張。一方、弁護側は、DNAが混入した可能性や、動物などが遺体を傷つけた可能性があるとして、死亡した女性の事件については無罪を主張していた。
判決では、DNAの混入や、遺体の傷が動物によるものだとは考えられないと指摘。「犯人が別人の可能性は常識的に考えられない」(日本テレビ)とし、5つの事件全てで喜納被告の犯行を認めた。
日本テレビによると、弁護側は控訴する方針だという。