英国人冒険家のジョン・ビーデンさん(53)が27日、手こぎボードによる無寄港の太平洋単独横断に世界で初めて成功した。ビーデンさんは3年前にも大西洋の無寄港単独横断に成功している。米ABCなどが伝えた。
ビーデンさんは今年6月1日、米西海岸のサンフランシスコを全長6メートルの手こぎボートで出発。209日後の今月27日、現地時間の午前10時ごろ、オーストラリア北東部の都市ケアンズに到着した。ケアンズでは、カナダ人の妻シェリルさんと10代の娘2人に迎えられた。約7カ月ぶりに地を踏んだビーデンさんは、「本当に変な感じだ」と語った。
ビーデンさんが209日間かけてこいだ距離は、約1万3700キロ。1日に約15時間ボートをこいだという。当初は140〜180日を予定していたが、途中進路上に発生したハリケーンに流されるなどして、約1カ月遅れての到着となった。体重は出発時より約5キロ痩せたという。
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209日ぶりに陸に上がり、クッキーを食べるジョン・ビーデンさん(53)(写真:ビーデンさんのツイッターより)
ABCによると、ビーデンさんは「このようなスケールのことで、最初に何かを達成した人になることは、本当に信じられないことです。まだ信じられないほどです」とコメント。「大西洋横断の時のように大変なことだと(思っていたが)、その時は死の危険を感じる時はなかったが、(太平洋横断では)何度かあった」と語った。
手こぎボートによる無寄港の太平洋単独横断は、米女性冒険家のソーニャ・バームステインさん(30)が今年6月7日、日本の千葉県銚子市を出発して挑戦していたが、バームステインさんは同13日、荒天の可能生から遭難信号を出して救助されていた。