福島県本宮市にある物流会社「イワキ」の事務所に27日朝、体重100キロほどのクマが入った。福島県鳥獣保護センターの獣医師や警察が駆け付け、約4時間後に麻酔銃を撃って捕獲した。社員らにけがはなかった。地元紙「福島民友」などが伝えた。
TBSによると、クマは体長約1メートル、体重約100キロのメスのツキノワグマ。27日午前6時過ぎに、イワキの事務所屋根に登ったが、屋根を突き破って事務所内に落ちたとみられている。
読売新聞が警察の話として伝えたところによると、近くを通行していた車の運転手がクマを目撃し、クラクションを鳴らしてイワキの社員らに警告したという。イワキには社員ら約20人がいた。
現場は、国道4号線から西に約600メートル、東北自動車道の本宮インターチェンジ(IC)から南西に約350メートルの場所。周辺には商業施設や住宅、中学校もあるという。
クマは捕獲後、本宮市内の山に逃がされた。
環境省が出しているクマに関する注意文書によると、日本にはヒグマとツキノワグマが生息しており、体長2・2〜2・3メートル、体重150〜250キロになるヒグマは北海道に生息しており、体長1・1〜1・5メートル、体重80〜120キロになるツキノワグマは本州と四国に生息している。
ツキノワグマの主な生息地は、落葉広葉樹林のある地域で、東北・中部地方では6割以上の地域に、関東・近畿・中国地方では3割程度の地域に生息しているという。生息地はほとんどが森林だが、特にどんぐり類が不作の年は食物を求めて人里まで下りてくることがあるという。
人よりも速く、時速40キロ以上で走ることができるため、すぐ近くでクマに出会ったときは、▼急な動作に驚いて攻撃してくることがあるため、冷静にあわてずクマが立ち去ってからその場を離れる、▼突発的に襲われた場合は、両腕で顔や頭をガードし大けがを避ける、ことを勧めている。