重度の糖尿病を患っていた小学2年生の男児に、適切な治療を受けさせずに死亡させたとして、栃木県警などは26日、栃木県下野市の会社役員、近藤弘治容疑者(60)を殺人容疑で逮捕した。近藤容疑者は「治療」と称し、男児の体を触るなどの行為を繰り返していたという。また、悪霊をはらう成功報酬などとして、男児の両親から200万円以上を受け取っていたという。国内主要紙が伝えた。
報道によると、死亡したのは宇都宮市の小学2年生、今井駿君(当時7)。今井君は1型糖尿病で、インスリンの投与治療が必要だったが、近藤容疑者は4月上旬ごろから今井君に投薬治療を受けさせないようにしていたという。今井君は4月27日、1型糖尿病に基づく衰弱で搬送先の病院で死亡した。
朝日新聞よると、近藤容疑者と今井君の両親は以前から知り合いだったという。近藤容疑者は両親に、自身に特殊能力があるよう信じ込ませ、今井君の足や腹を触るなどの「治療」を繰り返していた。
1型糖尿病は、小児期に起こることが多いため小児糖尿病とも呼ばれ、すい臓のベータ細胞の破壊によるインスリンの欠乏により発症する糖尿病。生活習慣の影響による2型糖尿病とは異なり、自己免疫性疾患などが原因とされている。日本での年間発症率は10万人に1〜2人とされている。