大阪府東大阪市の不動産管理業、高木孝治容疑者(73)や落語家の桂小軽(おかる、本名・西裏文雄)容疑者(64)ら7人が、高木容疑者の兄の遺言を偽造し、相続税約5億円を脱税したとして22日に逮捕された。国内主要紙が伝えた。
朝日新聞によると、逮捕されたのは、高木容疑者、西裏容疑者、税理士の岩上順容疑者(63)、会社経営の帖佐(ちょうさ)勝也容疑者(37)、会社役員の藤田浩二容疑者(41)、会社員の榎森(えもり)広高容疑者(48)と谷口充弘容疑者(52)の7人。警察は認否を明らかにしていない。
報道によると、高木容疑者は、資産家の兄が2013年11月に亡くなり、約10億5千万円の遺産を相続した。その後、税理士の岩上容疑者らと共謀し、14年9月、約8億5千万円の遺産を、和歌山県内の社会福祉法人に寄付するという兄名義の遺言書を偽造し、税務署に提出した。
相続税法では、相続や遺贈によって取得した財産を、国や地方公共団体、または特定の公益法人などに寄附するなどした場合、相続税の対象外となる特例があり、高木容疑者らはこの特例を悪用したとみられている。脱税した相続税は約4億9500万円に上り、7人は相続税法違反と偽造有印私文書行使の容疑が持たれている。
逮捕された落語家の西裏容疑者は、吉本興業グループのよしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。今回の事件でどのような役割を担ったかはこれまでのところ不明。