杭(くい)打ち工事大手のジャパンパイル(東京都中央区)のデータ流用問題について、ジャパンパイルの親会社であるアジアパイルホールディングス(同)は16日、「施工報告書のデータ流用問題に対するお詫びと今後の対応について」を発表した。
発表によると、ジャパンパイルの施行報告書の一部で、電流計データの流用があったという。これについてアジアパイルHDは、「これは同社施工現場において、電流計のデータの重要性に対する認識が十分に徹底できていなかったため」と説明し、「これにより、各方面の皆様方にご心配とご迷惑をおかけしましたことを、深く反省し、衷心よりお詫び申し上げます」と謝罪した。
今後、施行工場での対応としては、▼全ての杭毎に施工完了直後に電流計のデータを写真に収め、その記録と報告書の内容をチェックする、▼電流計に故障などの不具合が生じ、データの記録が正常に取れない場合は施工を中止し、元請管理者に報告の上、対処する、▼電流計の機能向上を図る、の3つを行うとしている。また、施行報告書の電流計データについては、 直近5年間に施行した杭打ち工事を全件再調査するとしている。
ジャパンパイルはこれまでに、オフィスなどの建物の杭(くい)打ち工事18件で、他の建物のデータを流用するなどしていたことが判明している。報道によると、石井啓一国土交通相は15日、ジャパンパイルから16日にも事実関係について詳細の報告を受けると明らかにしていた。