旭化成建材(東京都千代田区)の親会社である旭化成(同)は14日、三井住友建設の下請けとして旭化成建材が杭(くい)工事の一部を施工した横浜市のマンションで傾きがあることが明らかになった問題で、旭化成建材の施工に不具合があり、また施工報告書の中に偽装があったと発表した。旭化成によると、判明した偽装は施工データの転用・加筆で、現在なぜ偽装があったのか原因について詳しい調査を進めているという。
旭化成建材はこの問題を受け、偽装に関わる調査、また横浜市の傾いた該当マンションの補強・改修工事などで必要となる費用の全額を負担するとしている。また、旭化成では、偽装問題に関わる調査委員会を発足させ、原因究明と再発防止に当たるとしている。
傾いていることが明らかになったのは、横浜市にある最高12階建ての大型マンション。住居棟4棟のうち1棟がわずかに傾いていることが、14日までに判明していた。傾いている棟の52本の杭のうち、28本の調査が終わった時点で、6本が強固な地盤である「支持層」に到達しておらず、2本が長さ不足であったことが判明。さらに、マンション施工時の地盤調査で、傾いた棟で10本、他の棟でも28本の杭について、他の場所のデータを転用・加筆した偽装データが使われていたことが明らかになっていた。
旭化成建材は、「調査および建物の補強・改修工事等に要する費用についてはその全額を負担することにしており、今後とも、居住者様の安全を最優先に、売主(三井不動産レジデンシャル株式会社)様、施工会社(三井住友建設株式会社)様と協力の上、しかるべき対応を行ってまいります」としている。