指定暴力団山口組系「愛桜会」の菱田達之会長(59)が15日夕方、三重県四日市市の別宅の玄関付近で頭から血を流して倒れているのが見つかった事件で、これまでに現場から鉄パイプや結束バンドが見つかったことが明らかになった。日本テレビなどが伝えた。
これまでの報道によると、菱田会長は発見時、両手両足を縛られた状態で、頭には鈍器のようなもので複数回殴られた痕があったという。現場近くからは凶器とみられる鉄パイプが発見され、両手両足を縛るために使われたとみられる結束バンドも現場から見つかった。
毎日新聞によると、警察は1人で両手両足を縛るのは難しいとして、複数人による犯行の可能性があるとみて捜査を行っている。
現場は近鉄四日市駅から南東に数百メートルの住宅地の一角で、菱田会長の別宅は4階建てのビル。菱田会長は1階の玄関付近で倒れていた。
同紙によると、菱田会長は15日昼ごろ、愛桜会の運転手(55)に送られて別宅に着いていたとみられる。運転手は午後4時に迎えに行く約束をしていたが、連絡が取れないため、菱田会長の妻(58)に連絡。運転手と妻、また別の組員1人が別宅を訪れたところ、倒れている菱田会長を発見したという。
当時、別宅の玄関はドアチェーンがかかり、合鍵では入れず、菱田会長の妻らは玄関のガラスを割ってチェーンを外して中に入ったという。また、別宅は2階の窓ガラスが割られ、1階の裏口は鍵がかかっていなかったという。
愛桜会は四日市市に本部を置く暴力団で、山口組の2次団体。1978年に結成され、初代会長は橋本達男。菱田会長は二代目で、山口組では「直参」と呼ばれる幹部だったという。山口組は9月に分裂しており、分裂をめぐるトラブルで殺害されたのかなど、警察は捜査を進めている。