日本大学の男性名誉教授(77)が、指定暴力団山口組の元幹部から2000万円を借りていた問題で、日大は9日、今後名誉教授から事情を聴取し、解雇を含めて厳正な処分を行う方針であることを明らかにした。一方、NHKによると、日本オリンピック委員会(JOC)の元役員も、名誉教授が元幹部らと会食した際、同席していたことが明らかになった。
NHKによると、名誉教授は約10年前、山口組のナンバー3だった元暴力団組長から、投資用の資金として2000万円を借りたが、今も返済していないという。日大の調査に対し名誉教授は、「(元幹部は)自分にとっては紳士的でいい人」(朝日新聞)と話し、反省の言葉などはないという。名誉教授は、日大の大学院法学研究科で非常勤講師として英米法などを教え、週1回の講義を持っていたが、現在は事件を受けて休講中だという。
名誉教授の元幹部との交際は、元幹部が起こした金銭トラブルをめぐる民事裁判で、名誉教授が元幹部側の証人として出廷し、約10年前に元幹部から2000万円を借りたと証言したことで判明した。一方、NHKによると、名誉教授が裁判所に提出したメモには、投資について話をするため、名誉教授と元幹部ら7人が集まったほか、JOCの元役員ら2人が合流したことが書かれていたという。
このJOCの元役員はNHKの取材に対し、元幹部との面会は、スポーツ選手が暴力団とトラブルになるのを避けるためのあいさつだったと説明し、それ以来元幹部とは会っていないと話しているという。