英サンデー・タイムズ紙は8日、ロシア陸上競技連盟(RA)が、2012年のロンドン・オリンピックに出場したロシアの8選手について、ドーピングの摘発を免れるため、国際陸上競技連盟(IAAF)のラミン・ディアク前会長(セネガル)らに多額の賄賂を渡していたと伝えた。
同紙によると、8選手はドーピング検査で陽性反応が出たが、ロシア陸連がディアク前会長に100万ユーロ(約1億3200万円)、国際陸連のドーピング担当者であったガブリエル・ドレ医師(フランス)に20万ユーロ(約2600万円)を支払い、ドーピングを隠蔽したという。8選手の中には金、銀メダリストが含まれている。
ロシアでは昨年12月、組織的なドーピング疑惑が持ち上がった。この問題を調査していた国際陸連の倫理委員会は6日、ディアク前会長の息子で、国際陸連のコンサルタントであったパパマッサタ・ディアク氏、ロシア陸連のワレンチン・バラフニチェフ前会長と長距離コーチのアレクセイ・メルニコフ氏、ドレ医師の4人について、倫理規定違反の疑いがあると発表した。
ディアク前会長とドレ医師はフランス当局から捜査を受けており、これを受け、国際陸連は今月28日にモナコで予定していた恒例の年間表彰式典の中止も発表している。
この問題を調査している世界反ドーピング機関(WADA)は9日、スイス・ジュネーブで記者会見を開き、調査結果を発表する予定。