まるで使徒の働きのようなすさまじい癒やしの奇跡が次々に起こされ、フェンとロンの伝道により、福音が彼らの身内に広まっていったのだ(安全上の理由から、登場する人物の本名は変えてある)。ところが、めいのアイハンの信仰に反対していた元夫の家族の心無い通報により、彼らは当局によって逮捕されてしまったのである。(第1回から読む)
「警察が私たちの家に来て、飼っていた豚まで、価値のある持ち物は全て没収されました」とフェンは語る。その上、警察は彼らに罰金も科したのだ。
「キリスト信者になってからの年数に基づいて支払いを求められました。1年につき1千人民元(日本円でおよそ2万1500円)です。実は同じ時期に、この地域の他の信者たちにも同じことが起こりました。残念ですが、他の信者たちは信仰を捨てて、二度と戻ってこなかったのです」
「それだけではありませんでした。罰金を支払った後、何人かはキリストに従うことを諦めてしまったのです。私は手錠をかけられ、手首から血が出るほど引っ張られて街頭を引き回されました。しかしこれら全てのことをもってしても、主キリストから私を引き離すような影響は、一切受けませんでした。20年以上たった今でも、私は以前と全く変わることなく、主イエスへの信仰を持ち続けています。いえむしろ、私の信仰は日ごとに新しく、そして強くされているのです」
フェンは今でも定期的に教会に通っている。彼女は真に不屈の信仰とはどういうものなのかを周りの人々に示し、喜びに満ちている。彼女は神の恵みと憐(あわ)れみに感謝し、今もキリストに従い続けている。今日、彼女は他の村人たちと良好な関係を保ち、機会があるごとに福音を分かち合っているのだ。
最近、フェンは中国南西部で開催された聖書訓練に参加した。彼女は、自分と同じような年配の信者たちと共に参加し、大きな収穫を得た。
中国では、妥協のない聖書的な信仰を追求しようとするなら、共産党政府によって厳しい制限を受けざるを得ない。しかし、その教勢は衰えるどころか、ますます枝葉を広げている。
イランやネパール、インド、中国など、キリスト教信仰が燎原の火のように拡大している国々に共通する特徴は、まさにその「制限と迫害」にある。祝福と戦いは一進一退で進んでいく。中国の兄姉らがさらに力強く伝道し、新しい信者を獲得するように祈っていただきたい。
■ 中国の宗教人口
プロテスタント 6・4%
カトリック 1・6%
無宗教 44・4%
儒教 28・5%
仏教 12・5%
イスラム 1・9%
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