神戸女学院(兵庫県西宮市)と北星学園(札幌市)のそれぞれ有志の会は今月、安保関連法案に反対する声明やアピールを各会のサイトで発表した。日付は明記されていない。
神戸女学院の有志の会は声明で、「神戸女学院(1875年創立)は、戦時の苦難の一時期もふくめ、『キリスト教主義』『リベラルアーツ&サイエンス』『国際理解』を教育の柱に据え、聖書の言葉に基づく『愛神愛隣』を学院標語に掲げてきました」と述べるとともに、マタイによる福音書22章37〜39節「心を尽くし、精神を尽くし、思いを尽くして、あなたの神である主を愛しなさい。これが最も重要な第一の掟である。第二も、これと同じように重要である。隣人を自分のように愛しなさい」を引用し、「この聖句は、この国がふたたび隣人に武力を差し向けうる国になってよいものかを、私たちに問うています」と述べている。
その上で、「戦争は、かけがえのない命を持った若者を戦場に送り込み、殺し殺されることを強要するものです。戦争は、子どもたちを含む多くの犠牲者を生み出し、命の尊厳を踏みにじります。憲法に明記された平和主義に反し、戦争への道を開く安全保障関連法案の廃案を、強く要求するものです」と結んでいる。
一方、北星学園の有志の会は、安保法案に反対するアピールで、「知的誠実を旨とする立場から、日本国憲法をないがしろにして提起されている安全保障法制が戦後70年の節目の年に成立しようとしている事態を看過することができません」としている。
さらに、「北星学園に奉職する教職員有志は、知的誠実のもと、また、学園の掲げるキリスト教の精神に鑑み、安全保障法制は廃案にされるべきであると強く訴えます」などと述べ、「平和を実現する人々は、幸いである」(マタイ5:9)、「剣をさやに納めなさい。剣を取る者は皆、剣で滅びる」(同26:52)を引用してアピール文を結んでいる。