ローマ教皇フランシスコは、9月1日を環境保護のために祈る日に制定した。バチカン放送局が10日報じた。教皇は、同日発表した6日付の書簡で、教皇庁正義と平和評議会議長ピーター・タークソン枢機卿と、教皇庁キリスト教一致推進評議会議長クルト・コッホ枢機卿に宛てて、この記念日の創設について説明しているという。
書簡の中で教皇は、今年から9月1日をカトリック教会の「環境保護のための世界祈願日(仮訳)」に制定することを発表した。神が創造された天地の未来に対する憂慮を、正教会の全地総主教であるコンスタンディヌーポリ総主教バルソロメオス1世と共有し、教皇の環境問題を扱った回勅『ラウダート・シ』公式発表に総主教庁の使節として同席していたイオアニス・ペルガモン府主教の助言を受け入れて決定したという。総主教庁は、既に9月1日を環境保護のための記念日として定めており、教皇はこの日を正教会と共に記念することで、カトリック教会と正教会の交わりの発展を示すものとなるよう期待しているという。
「キリスト者として私たちは、人類が現在体験している環境危機を乗り越えるための貢献を望んでいる」と教皇は述べ、「そのためにも、キリスト者を取り巻く世界との関係において、私たちはイエスとの出会いを通して得るエコロジー的な回心に招かれている」と、環境保護についての考えを強調。「この祈願日が、信者一人一人と共同体に環境保護への召命を新たにし、神の素晴らしい創造の業に感謝しつつ、自然を守るための助けを祈り、私たちが生活する環境に対し行った罪に神の憐れみを請うための貴重な機会となるように」と願いを語った。
7月21日に行われた教皇庁立科学アカデミーと社会科学アカデミーが主催した社会・環境問題を考えるワークショプで、回勅『ラウダート・シ』を公式発表した教皇は、「環境への配慮や態度を考えるとき、単に『グリーン・緑』という言葉のイメージで捉えがちだが、環境問題とはそれ以上のもの、人間を含むトータルなエコロジーの問題でなくてはならない」という考えを明らかにし、「エコロジーに対する認識が欠如したまま、私たち自身の手で地球の環境破壊が進んでいることを知るべき」と話していた。
なお、「環境保護のための世界祈願日(仮訳)」の英訳は、「World Day of Prayer for the Care of Creation」。