カナダ合同教会のある協議会(教区)が、無神論者であることを公言している女性聖職者の「職位の有効性」を調査するため、面談を行う。
カナダ合同教会のトロント協議会は6月、無神論者であることを告白している、進歩的キリスト教カナダセンターの創立者で、作家でもあるグレタ・ボスパー牧師について、公式の調査を行う予定だ。
トロント協議会事務局長のデイビッド・W・アレン牧師は、取材に対し、今回の調査について、「調査は、聖職者の職位の有効性について深刻な疑義が上がった場合に行うよう規定されている、合同教会の公式な手続きです」と説明。「このケースでは、5人のチームがボスパー牧師と面談します。面談したチームは40人からなる委員会で報告し、それを受けた委員会はトロント協議会の部会において、ボスパー牧師がカナダ合同教会での働きにふさわしいかどうかについて意見を発表します」と、調査の手続きについて説明した。
アレン牧師は、今回の調査において、ボスパー牧師が、按手(あんしゅ)を受けた際に問われたことについて確信を持ち続けているかどうかを面談の中で尋ねられるだろうと話す。
その質問とは、「あなたは、父、子、聖霊である神を信じ、そして新たに神に自身をささげますか?」「あなたは、神が御言葉、聖礼典、牧会の聖なる働きに召していることを信じ、受け入れますか?」、そして最後に「あなたは、聖書に従い、教会の信仰の中にとどまり、カナダ合同教会の監督に従い、宣教の働きを実践しようと願いますか?」というものだ。
ボスパー牧師のウェブサイトによると、ボスパー牧師は2001年に無神論者であると公言し、「恐らく世界で最も進歩的なキリスト教の教派」であるカナダ合同教会が、もっと無神論を歓迎するよう願っているとしている。
「(聖書の)神という名の、この神についての考えから完全に脱却した説教を自発的に行った後、教会は私を解任するのではなく、道なき道に踏み出すことを選んだのです」と、ボスパー牧師のウェブサイトの説明にはある。また、「彼らと共に私は働き、嘆き、失い、愛してきました。ゴールの見えない困難な道ですが、価値のある道です。この道を共に歩きましょう。霊感が得られることを約束します」とある。
カナダ合同教会では、その聖職者が「停職リスト(懲戒)」に上がった場合、職位を剥奪(はくだつ)することになっている。依願退職を選ぶと、「停職リスト(一身上の都合)」に上がることになる。
アレン牧師は取材に対し、「停職リスト(懲戒)」に上がるには多くの段階を踏む必要があり、「聖職者と教会のことを考えると、極度に注意深く行いたいため、手続きに時間がかかる」と語った。
グレタ・ボスパー牧師にも取材を試みたが、回答は得られなかった。