過激派組織「イスラム国」(IS)は19日、約30人のエチオピア人キリスト教徒を殺害したとする動画をインターネット上に公開した。動画には、キリスト教徒への報復を示唆するナレーションや字幕が映っている。AFP通信などが伝えた。
動画の長さは約30分。字幕には「敵のエチオピアの信者ら」と記され、ISの戦闘員と見られる男たちが、オレンジ色の服を着せられたエチオピア人キリスト教徒らを、海辺で斬首したり、砂漠に連行し銃殺したりする様子が映っている。動画を入手したAFP通信は、海辺で約12人、砂漠では少なくとも16人が銃殺さたとしている。
ロイター通信によると、殺害された人の身元や明確な人数はまだ不明だが、エチオピア政府は「残忍な行為を非難する」と発表。現在、在エジプトのエチオピア大使館では動画の信ぴょう性について検証しているという。一方、リビア側の当局者からのコメントは現在ところまだ出ていない。
今回の動画では、殺害シーンの前の部分で、イスラム教への改宗か人頭税の納税のどちらかを選択するように迫られたシリアのキリスト教徒が納税を選んだとしている。また、イラク北部モスルのキリスト教住民は、改宗、納税のどちらにも従わなかったとするアラビア語のナレーションも入っていた。
ISは、今年2月にもコプト正教会の信徒であるエジプト人労働者ら21人を殺害したとする映像をインターネット上で公開していた。