乗客乗員計150人が搭乗していたドイツの格安航空会社ジャーマンウィングスの旅客機、スペイン・バルセロナ発9525便(エアバスA320型機)が、24日にフランス南部のアルプスで墜落したのを受けて、ドイツやフランス、スペインの教会や、欧州とマレーシアの教会協議会、および世界教会協議会(WCC)は犠牲者と遺族のための祈りを呼び掛けた。
ドイツ福音主義教会連盟(EKD)のハインリヒ・ベドフォードストローム議長は24日、「犠牲者とそのご遺族のために祈り思う」と題する文を公式サイトに掲載した。
ベドフォードストローム議長は、「この事故のニュースとこんなにも多くの人たちの死によって、私たちは唖然としています。犠牲者とそのご遺族のために祈り思います」と述べた。
EKDによると、ドイツのデュッセルドルフ空港では、デュッセルドルフ心理社会救急ケアチーム(PSNV)が活動し、遺族らのケアに当たっており、それには空港チャプレンや、同地域のプロテスタントとカトリックの緊急ケアに当たる人たちが含まれているという。
また、ドイツ・カトリック司教協議会の会長であるラインハルト・マルクス枢機卿も、同協議会のウェブサイトに24日付で掲載した記者発表資料で、「私たちは犠牲者とそのご遺族のために祈ります」と述べた。
マルクス枢機卿は、「ジャーマンウィングスの旅客機墜落を知り、大きな嘆きとともに深い悲しみを覚えています。私たちは、突然にしかも不意に命を絶たれた犠牲者たちを覚え、大きな衝撃を受けつつ、教会として犠牲者のご遺族の方々とのつながりを感じています」と述べた。
さらに、「この計り知れぬ悲劇は言葉を失うほどです。そこで、私は犠牲者とそのご遺族のために祈りを呼び掛けます。支えと慰めを神に求めましょう。救急サービスや緊急ケアをしておられる方々の献身的な奉仕に、私は感謝しています」と記した。
一方、フランスのカトリック教会も、事故が起きた地域であるディーニュの司教であるジャン・フィリペ・ノー司教と、マルセイユ大司教でフランス司教協議会会長のジョルジュ・ポンティエール大司教の名で、「フランスの司教たちの感情、悲しみと祈り」などと記された文を公式サイトに掲載した。
大司教らは、「アルプドオート・プロバンス県で今日起きた旅客機の墜落で、多くの人々の命が奪われたことを知り、大きな悲しみと大きな感情を覚えています。ルルドに集められたフランスの司教たちは、犠牲者とそのご遺族の方々のために思いと祈りを共にしています」と記した。
また、スペイン司教協議会も24日、「スペインの司教たちは犠牲者のご遺族の痛みを共有する」と題する文を公式サイトに掲載し、「本日、ジャーマンウィングスの旅客機がバルセロナからデュッセルドルフまでの飛行中にフランスで墜落したという悲しいニュースを受けて、スペイン司教協議会は、失われた命についての悲しみと犠牲者のご遺族への哀悼の意を表明するとともに、亡くなられた方々の永遠の安らかな眠りを神に託します」と述べた。
また、同協議会は、「スペインの司教たちは、カトリックおよび全ての信者に対し、これらの意を各自の個人および共同の祈りに含めるよう強く求めます」と記した。
さらに、WCCも24日、欧州教会協議会(CEC)と共同で、「ジャーマンウィングスの悲劇を悲しむ教会」と題する文を公式サイトに掲載した。その中でCEC総幹事のガイ・リアグレ氏は、「私たちは、来る月日において神による慰めの平安が、この未曾有の悲劇で被害を受けた全ての人たちにあるよう祈ります」と述べた。
同日、CEC理事会がプログラム活動の予定に焦点をあてようとブリュッセルで行われた。リアグレ氏は、「私たちは、教会の伝統や文化の違いを超えて、欧州の各地から集められています。今日、私たちはフランスで命が失われた方々をみなで共に悲しんでいます」と述べた。同理事会は夕べの祈りで犠牲者を覚えたという。
「世界教会協議会は欧州教会協議会理事会による憐れみと嘆きの言葉に加わります」と、WCC総幹事のオラフ・フィクセ・トヴェイト氏は述べ、「私たちはこの悲劇における全ての犠牲者とそのご遺族のための祈りを呼び掛けます。また、犠牲者と共に働いているチームを覚え、昨今のご遺族を支えましょう」と付け加えた。
マレーシア教会協議会(CCM)は25日、WCCとCECの共同発表による全文を公式サイトに掲載した。CCMやマレーシア福音同盟(NECF)は、昨年3月に消息を絶ったマレーシア航空370便のために祈りを呼び掛けていた。