ナイジェリア・バプテスト連盟(NBC)議長のサムソン・アヨクンレ牧師・博士は、国際社会が西アフリカにある同国のテロリストによる暴力や襲撃を無視しているとして、これを厳しく非難した。世界バプテスト連盟(BWA)が16日、公式ウェブサイトで伝えた。
NBCはアフリカ最大のBWA加盟団体で、約1万の教会におよそ350万人の教会員がいる。
「私がひどく驚いているのは、ナイジェリアで起きている巨大な破壊に対する国際社会の態度だ」と、アヨクンレ牧師はBWAに語った。「シリアとイラクでイスラム国の襲撃やあるいはアフガニスタンのタリバンの問題などに介入した彼らの熱意は、ナイジェリアの場合には見られない」
アヨクンレ牧師は国際社会がナイジェリア人の命の価値を切り下げているとして非難した。「ボコ・ハラムが何百人もの人たちを毎週殺し続けても、世界の他の地域にはどうでもよいのだろうか?これらの人々は、彼らが直接介入をした他のところで殺されている人たちよりも人間として劣っているというのだろうか?私の国の国民は動物のように殺されているのに、全世界はただ見つめているだけだ」
アヨクンレ牧師は、ナイジェリアにイスラム法を確立しようとしている聖戦主義者の集団であるボコ・ハラムによる襲撃が最近急増していることに応えて語った。
ボコ・ハラムは今年1月初めに、ナイジェリア北東部にあるボルノ州の町バガで大虐殺を行った。死者数は推計で数十人から2000人以上と幅があるが、その数は分かっていない。2013年4月に185人を超える人たちが殺され、バガにある2000軒を超える家々が、ナイジェリア軍とボコ・ハラムの戦闘によって破壊された。
2014年まで、ボコ・ハラムは主にナイジェリアの北東部や北中部、および中部で起きた襲撃で5000人を超える市民を殺害した。2009年以降、ボコ・ハラムは500人を超える人々を拉致したが、その中には2014年4月にボルノ州の町チボクから276人の女生徒たちを拉致したことも含まれている。推計で150万人が脅しや襲撃のために自らの故郷から避難した。
「この状況は悲痛だ」とアヨクンレ牧師は語った。「これらの襲撃の主な標的はまずキリスト教徒であり、そして彼らに反対するその他あらゆる人だ。彼らが入ってくる町はどこでも、キリスト教徒を殺したあと、彼らは進んでそこにある教会を取り壊し、モスクは免れさせる。とりわけ(ボルノ州の)グウォザや(北東部のアダマワ州にある)ムビといったキリスト教徒の主な町は彼らの手に落ちてしまった。(アダマワ州の)ミチカやバガといった町のキリスト教徒たちも逃走中だ」
アヨクンレ牧師は「教会が深刻な迫害に包囲されている」と語った。バプテスト派のキリスト教徒たちは直接被害を受けているという。「ボコ・ハラムがムビを襲撃したとき、2000人を超えるバプテスト派のキリスト教徒がそこからカメルーンを通って逃れ、そこにはもはやキリスト教会が建っていない」
これらのバプテスト派のキリスト教徒たちは、アダマワ州のヨラと呼ばれるもう一つの町を通ってナイジェリアへ帰って来たが、自らの故郷には決して二度と帰らなかったと、アヨクンレ牧師は語った。「彼らは追いやられ、今では避難民のキャンプで食べ物を求めて駆け回りながら、きちんとした住居もないまま裸で暮らしている」
アヨクンレ牧師によると、NBCのフェローシップ・バプテスト会議事務局の事務所を含むバプテスト派関係の建物がムビで焼かれてしまい、同会議議長の自宅が故意に破壊されたという。同会議議長とバプテスト派の牧師たちは、ボコ・ハラムによって攻撃されたもう一つの地域であるプラトー州の町ジョスへ逃げた。「ムビにある私たちのバプテスト高校は閉鎖され、もう一つの近隣の町であるゴムビにある私たちのバプテスト牧師学校は無期限で閉鎖された」
アヨクンレ牧師は、バプテスト派のキリスト教徒や他のキリスト教徒の祈りの支援に感謝を表すとともに、テロリストの襲撃によって住居を追われた人たちを支援するための資金的な支援を求めた。「ナイジェリアにあるキリストの教会に対して地獄の門がはびこることがないように、祈りのうちに私たちに加わり続けてください」と訴えている。
なお、NBCのホームページによると、NBCは新約聖書エフェソの信徒への手紙2章4節に基づき、「前へ進む 平和と進歩のために働き祈る」をテーマに、4月18日から23日まで、ナイジェリア南部のイモ州オウェリで総会を開くという。