イスラム過激派集団「ボコ・ハラム」が、ナイジェリア北部にある16の村々に対して行った致命的な襲撃について、世界メソジスト協議会(WMC)は11日、襲撃により何千人もの死者が出た可能性があり、多くの負傷者や立ち退かされた人たちが出ているとして、これを非難した。
WMC総幹事のイバン・アブラハムス監督は、遺族らに対する哀悼の意を表した。アブラハムス総幹事はさらに、「2月14日の選挙の準備をしているこのアフリカ西部の国で、不寛容とテロが無意味にもまかり通っているのを止めるために、皆でもっと多くのことをしなければならない」と付け加えた。
アブラハムス総幹事は、この流血の争いを終わらせるためにあらゆる平和的手段を探るとともに、この非難すべきテロの取り引きが平和を愛する人々によって容認されることはないのだということをはっきりと明確にするよう、宗教や政治の指導者たちに促した。
一方、世界教会協議会(WCC)も12日、ボコ・ハラムによる襲撃で自爆攻撃に使われた子どもたちを含めて、2000人を超える人たちの命が奪われたとされているとして、この襲撃に深い衝撃を受けたと表明した。
WCCは、同日にスイスのジュネーブ本部で発表した声明で、「幼い子どもたちを爆弾として配備し、女性や子ども、高齢者たちを無差別に虐殺するという思考態度は非道な行為を超えており、宗教的な正当化のためのいかなる主張もすることができない」と、今回の襲撃を強く非難した。
WCCはまた、ナイジェリア政府に対し、これらの襲撃に意味のある形で対応し、いかなる、そしてあらゆるこのような残虐行為から国民を確実に守るよう求めている。
一方、WCCは、国際社会の連帯や関与を求めたナイジェリアの宗教指導者たちと声を合わせ、国際的なメディア報道が比較的欠如しており、その欠如は差別的でさえあると述べた。声明では、「WCCがパリやその付近における最近の襲撃の直後にあってフランスの国民との国際的な連帯に加わるのと同様に、私たちはナイジェリアにおけるこの悲劇的な出来事が同程度の国際的な関心や連帯を呼んでいないことに、深い悲しみを覚える」と記している。
WCCには、ナイジェリアに加盟教会があり、地元の協力者たちと協力して、同国における宗教間の平和のための取り組みに積極的に関与している。2012年に行われた高位のキリスト教徒とイスラム教徒によるナイジェリアへの訪問は、WCCのオラフ・フィクセ・トヴェイト総幹事と、王立ヨルダン・アアル・アル・ベイト研究所(RABIIT)のガジ王子(ヨルダン)の共同によって引率された。
この2つの組織は、宗教に基づく暴力を監視し、宗教間の調和や正義、平和を促進するためのセンターを設立するために、共に活動している。ナイジェリアの首都アブジャにあるこのセンターは、2015年上半期に開設される予定。