米ケンタッキー州にある創造博物館のCEOで館長のケン・ハム氏が、同州で行われている巨大な箱舟を建造するプロジェクト「アーク・エンカウンター(箱舟との遭遇)」についての短い動画を投稿し、初期の作業のうちある程度がすで終わっていることに言及した。ハム氏は、実際に現場に来てみないことには「プロジェクトの壮大さを把握する」ことができない人もいるだろうと語った。
「5日、私は箱舟が建造されている地で数時間を過ごし、どれほどの進捗かを見て驚きました。そこに実際に来て歩いてみないことには、このプロジェクトの壮大さを把握することは事実上不可能でしょう」。ハム氏は6日、こうした内容のメッセージと共に、聖書に書かれているノアの箱舟の実物大のレプリカを建造している現場を撮影した短い動画を投稿した。
「注意深く見てみると、遠くに多くの車両が見えます。上下水道や電気を配管、配線したり、エレベーターや洗面所を設置するための基礎となる3つのタワーの基礎部分にコンクリートを注入している働き手がいます」とハム氏は説明する。
「他の人は、駐車場になる予定のエリアに向かうトロッコ路線で働いています。大規模な駐車場を作るためにすでにどれだけの土が動かされたかを知って非常に驚いています。全体で、約160万立方ヤード(約122万立方メートル)の土が、このプロジェクトのために移送させられる予定ですが、そのほとんどが完了しています」
ハム氏は、フェイスブックに他の2枚の画像も投稿している。1枚は着工前の現場の写真で、もう1枚はプロジェクトが進行中の現在の写真だ。
「おそらく、無神論者の中にはこのプロジェクトは絶対にあり得ないと主張した人もいるでしょう。そういう人は、この写真を見てフォトショップで作ったものだと主張しようとするかもしれません」と、創造博物館を運営する団体「アンサーズ・イン・ジェネシス(AiG、答えは創世記に)」の会長兼代表でもあるハム氏は語る。
ハム氏はまた、このプロジェクトが完成したら、米国で最大の木造建築となるだろうとも述べた。
アーク・エンカウンターの公式サイトには、プロジェクトについての詳細と最新情報が載っており、また完成のために寄付を募っていることも明らかにしている。13日現在、目標金額の2950万ドル(約35億円)に対し、1760万ドル(約21億円)をわずかに超える額が集まっている。
昨年12月、ハム氏はケンタッキー州がプロジェクトに対する1800万ドル(約21億4千万円)の租税優遇措置を撤回したことを巡る議論に対し、明確に説明しようと努めてきた。ハム氏は、雇用に際し宗教によって優遇することを禁止するケンタッキー州の新しい制約が無効であると主張し、またこの団体がプロジェクトを遂行するために州からの支出を求めたとする一部メディアの報道を否定した。
「州の新しい制約は明らかに違法です。私たちは1964年公民権法のような、雇い入れ時の宗教的優遇を認めた連邦と州の両方の法律に準拠しています。そのために、無神論団体は雇い入れ時に(労働者を)差別することができ、実際に行っているのです」とハム氏は動画のメッセージの中で説明した。
「州はその優遇を事前に認めていたのです。無神論団体が州がそれを容認したことに反対し、また公に攻撃して初めて州は約束を破ったのです」
アーク・エンカウンターは昨年12月、「不寛容なリベラルたち」と呼ぶ人々に宛て、建造中の箱舟にかけて「この船が沈み得ないことを神に感謝します」とコメントする広告を掲載した。
ハム氏は、一部のメディアや世俗主義者に対して、プロジェクトについて誤った情報を広めていると糾弾している。そして、人々に「聖書を支持する『アーク・エンカウンター』プロジェクトの真実を見つけるよう」求めた。
この広告は、ケンタッキー州の16カ所に設置され、またニューヨークのタイムズ・スクエアにある電光掲示板でも休日に掲載される。