29日にフィリピン近くで発生した台風23号により、同国の国家災害対策本部は、31日までに死者が計35人に上ったと発表した。今月6日には、台風22号が同国を襲い、現地赤十字の発表によると、27人が犠牲になるなど、大きな被害が出ている。
アジア名は、バラを意味する「チャンミー」と名付けられた台風23号は、中心気圧が1000ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は18メートルで、1時間に10キロの速さと、自転車並みの速度で西北西へ進んでいる。
同国の子どもたちへの支援活動を行っているキリスト教系NGOのチャイルド・ファンド・ジャパンは、台風22号による被害を受け、食料や飲用水を含む物資の配布、倒壊した家屋の修復などの緊急・復興支援を実施している。
同団体によると、現地で支援を受けている子どもたちは全員無事が確認されたものの、51世帯が全壊、199世帯が一部損壊の被害を受けた。この地域の主な生計手段である農地や農作物も、台風による被害を受け、現在も多くの家族が避難所での生活を余儀なくされているという。
31日現在、同団体による台風23号に関する被害報告はまだ発表されていない。
一方、台風として勢力を保ったまま年を越せば、2000年の台風23号以来14年ぶりの「年越し台風」となる。年越し台風は、その前が1986年(29号)、1977年(21号)、1959年(23号)、1952年(27号)と、7〜18年に一度程度発生している。
台風が発生・発達するためには、海面水温が28度以上であることが必須条件といわれている。今回、台風23号が発生した海域では海面水温が28度前後と、例年より高くなっている。
チャイルド・ファンド・ジャパンは、フィリピンの緊急・復興支援のために、スマートフォンで簡単に募金できる「かざして募金」も含め、さまざまな方法で寄付を受け付けている。詳細は、同団体のホームページを参照。