米国のキリスト教人道支援団体「サマリタンズ・パース」の活動が、数千キロ離れた国でそれぞれ育った2人を結び付けた。
このカップル、タイラー・ウォルフさんとジョアナ・ウォルフさんが初めて関わりを持ったのは、それぞれタイラーさんが7歳、ジョアナさんが8歳のとき。米国に住むタイラーさんがフィリピンに住むジョアナさんに、サマリタンズ・パースの活動を通して、クリスマスにプレゼントいっぱいのシューボックス(靴箱)を贈ったことがきっかけだった。これは、同団体が行っている「オペレーション・クリスマス・チャイルド(OCC)」という活動で、クリスマスの時期に空の靴箱にプレゼントをいっぱいに詰めて、海外の貧しい子どもたちに贈るという働きだ。タイラーさんの家族は、この働きが始まってまだ間もないころに参加した。
2000年、ジョアナさんは、フィリピンのマニラ首都圏にあるケソン市で行われたバケーション・バイブル・スクールという、約1週間の子ども向けイベントに参加し、その最終日にタイラーさんからの靴箱を受け取った。靴箱の中には、プレゼントと共にキリストに関するメッセージが添えられており、それが彼女の人生を変えることになった。
ジョアナさんの父親も、子どもたちへの靴箱の贈呈があったすぐ後に、キリストを自分の人生の中に受け入れ、牧師になるよう導かれていると感じたという。
14年前、ジョアナさんは、タイラーさんにお礼を伝える手紙を書いたが、それが米アイダホ州のタイラーさんの家に届けられることはなかった。2011年、ジョアナさんはフェイスブック上で、タイラーさんを見つけることを試みることにした。
「私は、私の人生に本当に大きな意味をもたらしたあの箱をくれた人に、どうしても感謝がしたかったのです」と彼女は振り返った。
ジョアナさんとタイラーさんはフェイスブックを通じ、お互いの写真や近況をやり取りしながら1年間、アイダホ州とフィリピン間で連絡を取り合った。タイラーさんは、ジョアナさんと彼女の家族のところへ訪問するのに十分なお金を貯め、ついに2人は実際に会うことに。そして出会ってすぐに2人は恋に落ちた。
「彼の顔を見たら、溢れんばかりの感情が心に込み上げてきました」とジョアナさん。「私はとても嬉しくて泣いてしまいました」という。
「私は滞在中、ジョアナとできる限りすべての瞬間を一緒に過ごしたかったのです。なぜなら一度離れてしまったら、次どうなってしまうのか分からなかったから」と、タイラーさんはサマリタンズ・パースに語った。「ただはっきり分かっていたのは、ジョアナが(運命の)その人だということでした」
2人は今年10月5日に結婚。式の招待客には、海外の子どもたちに贈るため、靴箱にプレゼントを詰めるのを手伝ってくれるようお願いした。
「元々これを思い付いたのは、私の母です」とタイラーさん。「オペレーション・クリスマス・チャイルドが、私とジョアナを一緒にしてくれました。だから、私たちはこのプロジェクトを、何らかの方法で私たちのお祝いの一部としたかったのです」