映画『神は死んだのか』と『天国は、ほんとうにある』が13日、劇場公開された。神への信仰を扱った2つの映画の同時公開を記念し、この日、両映画が上映されたヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)では、ゴスペルシンガーのラニー・ラッカーが出演する記念ライブが行われた。会場となったエントランスは来場客でごったがえし、170人収容の劇場も満員となった。
『神は死んだのか』は、無神論者の教授とクリスチャンの大学生の“神の存在”をめぐる対決をテーマにした作品。学生たちに「神は死んだ」とサインするよう求める無神論者の教授に、「僕はクリスチャンです。書くことはできません」と答えるジョシュ。神の存在を証明するため、ジョシュは新入生という絶対的に不利な条件の中で反証を試みる。全米の大学で実際に起こった数々の訴訟事件をベースに、「神の存在」という命題に正面から切り込んだ本作。米国では1000館未満公開の作品の中で全米歴代最高記録をたたき出すなど、大きな反響を呼んだ。
一方、『天国は、ほんとうにある』は、穿孔(せんこう)性虫垂炎にかかり、生死の境をさまよった3歳の男の子が一命をとりとめ、天国に行った話をするという、米国での実話がベースとなっている。息子から天国の話を聞かされたとき、天国が本当にあると信じていない自分に気づく父は、町の教会の牧師でもある。牧師は一人の信仰者として自分の信仰を見つめ直す一方、男の子が経験した天国の話は次第に広まり、教会にも変化をもたらしていく。米国では今年4月に公開され、興行成績90億円を超える大ヒットを記録。同名の原作本は、米ニューヨーク・タイムズ紙のベストセラーリストに200週ランクインし、全世界で900万部の売り上げを記録している。
これら2つの映画の同時公開を記念して行われたクリスマスライブでは、機械トラブルがあったものの、復旧するまでラニーさんがクワイヤーと共にアカペラで歌うサプライズもあり、会場中が彼の歌声に魅了された。
日本のゴスペル界のパイオニア的な存在であるラニーさん。『神は死んだのか』の上映後には、「主人公の信仰と勇気に励まされました。私もクリスチャンですが、信じるものを守るために立ち上がった彼に勇気づけられました。みなさんも神への信仰を大切にしてください」と大絶賛した。