イラクの首都バグダッドの聖公会司祭であるアンドリュー・ホワイト氏によると、キリスト教徒の子ども4人が強制改宗よりも死を選んだという。
オーソドックス・クリスチャン・ネットワークにより公開されたキリスト教放送局・CBNのビデオによると、身の安全を守るためにイラクから出国するようカンタベリー大主教に命じられたホワイト氏は、現地のキリスト教徒がおかれている苦境について心痛む話をした。戦闘が起こる前にいた約150万人強のキリスト教人口のうち、北部に住む25万人がイスラム国により追放されたとされている。
“バグダッドの教区牧師”と呼ばれているホワイト氏は、「かつてバグダッド市の状況は悪く、爆撃や銃撃によって人々は殺されていました。ですから人々は伝統的な故郷であるイラク北部のニネベ地方へと逃亡しました。そこも当時は安全でしたが、ある日、イスラム国が入り込み、人々をみな追放しました。イスラム国は多数の人々を殺害し、子どもたちの体を半分に切って惨殺し、人々を斬首しました。そして北へと移動し、そこでも非常に恐ろしいことが起こりました」と語った。
イスラム国は、死の痛みをもってキリスト教徒にイスラムへの改宗を強制したとホワイト氏は言う。
「彼らはある日、私たちのうちの、ある一人のキリスト教徒を訪れました。成人男性であるその人に、『イスラムへの改宗の言葉を言わなければ、あなたの子どもたちをみな殺す』と言いました。彼は絶望して、改宗の言葉を言いました。そして私に電話をして言ったのです。『司祭様、私はあの言葉を言いました。これによって、イェシュア(ヘブライ語でイエスのこと)はもはや私を愛してくださらないのですか』。私は答えました。『イェシュアはそれでもあなたを愛しますし、これからも永遠に愛します』」
ホワイト氏はまた、あるキリスト教徒の子どもたちの死についても話した。
「イスラム国のメンバーが現れ、子どもたちに、ムハンマドに従うと言えと命じたのです。子どもたちはみな15歳未満でした。その中の4人が、『いやです。私たちはイェシュアを愛しますし、今までも愛し、従ってきました。イェシュアはいつも私たちと一緒でした』と言いました。メンバーは『(改宗の)言葉を言え』と言いましたが、子どもたちは『できません』と答えました。イスラム国のメンバーは、その子たちをみな斬首しました。この話にどのようにあなたは感じますか。ただ泣くことしかできません」