明治初期、米国のメソジスト監督教会から派遣された宣教師らによって創設された3つの学校を源流とする青山学院は、今年11月16日に創立140周年を迎え、15日に記念式典を行った。
「全てを尽くし神を愛し、隣人を自分のように愛せ」と書かれたマタイによる福音書22章36~40節と、スクール・モットー「地の塩、世の光」が書かれたマタイによる福音書5章13~16節の2つの聖書箇所が朗読され、合同メソジスト教会高等教育局副総幹事のジェラルド・ロード博士がこれらをもとに説教した。ロード博士は、「日本のクリスチャンはわずかかもしれませんが、少しの塩と世の光の輝きが大きな違いを生み出していくのです」と熱弁を振るった。
続いて青山学院の安藤孝四郎理事長が、「神の恵みにより、我輩の学校よりいわゆる“Man”を出さしめよ」という第2代院長の本多庸一氏の言葉とヨシュア記1章9節を引用してあいさつ。今後150周年に向けてのビジョン「AOYAMA VISION」を発表し、「全ての人と社会に貢献するサーバントリーダーを育てよう」と語った。
この日の式典には、在学生のほか、卒業生や保護者などの関係者約1500人が出席。幼稚園から大学までの各部ごとにパートが分けられた「青山学院の歌」も披露され、「140年前に蒔かれた小さなからし種が、大きくなり鳥が巣を作るがごとく、現在では幼稚園から大学院までの教育を行う、総合学園となりました」と、梅津順一院長が式辞を述べた。
青山学院は、知識偏重にならないよう、専門教育と幅広い教養教育(リベラル・アーツ)を重視した方針を取っており、「地球規模の視野にもとづく正しい認識をもって自ら問題を発見し解決する知恵と力を持つ人材を育成する」ことをビジョンに掲げている。この日も同学院高等部で行われたノーベル平和賞受賞者のマララさんについてのスピーチが話題に挙げられ、「現在、さまざまな問題に対して諸宗教の共存が説かれていますが、青山学院の素晴らしい精神を持った生徒だからこそ、素晴らしいイスラムの少女に共感ができた」と、梅津院長は喜びをあらわにした。
キリスト教学校教育同盟加盟校代表の山内一郎氏は、コリントの信徒への手紙―13章を基にしたジョン・ウェスレーの提唱を引用し、「愛がないなら、どんな知識も無意味です。この愛を持つからこそ、全て素晴らしいものになる。ここに青山学院の建学の理念があります」と祝辞を述べた。
その他にも、下村博文・文部科学大臣による祝辞を文部科学審議官の前川喜平氏が代読し、日本私立大学連盟会長の清家篤氏も祝辞を述べた。また、国際メソジスト関係学校・大学連盟(IAMSCU)会長のマーシオ・デ・モラエス博士はビデオレターでの祝辞を述べた。