青山学院初等部では、毎週月曜日から木曜日の毎朝、初等部礼拝堂で30分の礼拝を守っている。キリスト教信仰に基づく教育を目指すこの学校では、生活のさまざまな場面で聖書に触れ、祈る機会を大切にしている。
初等部宗教主任の小澤淳一牧師(日本基督教団聖ヶ丘教会協力牧師)は、礼拝こそ生活の中心として、毎日の礼拝を重視している。礼拝でのみことばが蓄えとなり、児童や教師の人生において将来大きな支えとなるという。
礼拝中はすべての会衆が神の御前に平等であるとし、教師は礼拝に集中できない児童に対する指導を極力控えている。教室から礼拝堂までの移動はクラス単位で行わず、各自を自主的に礼拝堂に向かわせる。時間10分前に到着する子もいれば開始間際に到着する子もいるが、各自心の準備ができ次第礼拝堂に向かうことで、児童はカリキュラム内の義務的な礼拝ではなく、霊と心の伴う礼拝を神様の御前に正しく捧げることができるのだ。
初等部の教師の89パーセントはクリスチャン。教室にはキリストのかおりが溢れる。教師が自分も罪ある人間であると知っているからこそ、児童に罪を正しく教えながらも、主イエスの愛と赦しをも伝え、やり直しをもって失敗を成長につなげることができる。
初等部では、父兄に対し子どもと聖書に触れる時間を持つよう呼び掛けている。現代の子どもは親との会話が少なく、親からの愛に餓えているという。親との二人きりの時間の中で、子どもは親の愛を具体的に体験する。他の子どもと比較せず、神から恵みとして与えられたタラントを用いる魅力を知ることができれば、と小澤牧師は話した。
子どもでもうれしい経験や悲しい経験の中に神様のご計画を感じ、神様を感じることができる。「神様はどんなお気持ちなのか」を考えると、相手の気持ちを考えることができるようになる。
子どもは生活の中で神様と会話し、自分を形成し見つめなおしているのだという。「子どもが何もせず一人でじっとしていることがあります。彼らは神様と聖霊との会話を楽しんでいるのかもしれません」と小澤牧師は述べた。