【CJC=東京】無神論国家の中国ではあるが、聖書印刷では世界一と見られる。政府公認の援助団体「愛徳基金会」が聖書協会世界連盟(UBS)の技術的・資金的な援助協力を得て、南京に1988年開設した愛徳印刷会社は2013年までに、国内で使用される10言語で6500万冊、国外向けに90言語で5900万冊以上の聖書を印刷した。
中国は無神論国家であることを掲げており、憲法は、公認組織内で礼拝する人には宗教信仰の自由を保障している。
公式統計では、国内のキリスト者は3000万人弱とされているが、民間の予測ではカトリック、プロテスタント合わせて1億人に上る。政権を確保している中国共産党の党員数8670万人を超え、15年以内に世界最多のキリスト者が存在する国になる、と見る専門家も。キリスト者差別にもかかわらず、毎日3千人から1万人がキリスト教に入信し、1949年には100万人だったキリスト者が今では1億人を数えるほどになった、ともいわれるほど。
一方、米国のキリスト教抑圧監視団体「オープンドアーズ」の「世界監視リスト」では中国は37位に位置付けられている。この数カ月で、教会300カ所以上を対象に、会堂から十字架を撤去されたり、強制的に取り壊されている。
米国に本拠を置くキリスト教抑圧監視団体「対華援助協会」の主宰者ボブ・フー氏は「文化大革命以来の最悪の迫害」として、「信徒多数が襲われ、病院に運ばれている。1教会に対し警察官数千人が動員されたこともある。文革以来なかったことだ。恐ろしい」と言う。フー氏はしかし、中国のキリスト者の遠い将来に関しては「非常に楽観的」で、最近の抑圧増加は中国の「教会成長のニューウエーブ」につながるもの、と言う。