中国広東省仏山市で21日、比較的規模の大きい家の教会に警察の手入れが入り、子どもを含む100人以上のキリスト教徒が逮捕された。目撃者によれば、礼拝中に200人余りもの警官がなだれ込んだという。中国における大規模なキリスト教取り締まりの一環と考えられる。
「なぜわれわれの教会が手入れを受けたのか分かりません」と、ある地元の信者は、中国における迫害の増加を追跡・監視しているグループ「国際キリスト教コンサーン」(ICC)に語った。「政府は、われわれが集まったり、教会として礼拝をささげることを許さないのです」
信者らによれば、教会は何の警告もないまま手入れを受け、警察は拘束の理由として、「不法な集会」を開いたからだという通告を残していっただけだという。30人以上の信者が23日の時点でも拘束されたままだと伝えられている。
「仏山市の地元当局が、子どもも含めて100人以上の教会員を逮捕するなんて信じられません。ほとんどの人々は解放されましたが、この経験はトラウマになります」と、ICCの東南アジア地域担当マネージャー、キム・スヨン氏は話す。
「ICCは、広東省地元当局に市民の権利と宗教的自由を尊重し、無実のキリスト教徒たちを一刻も早く解放するように訴えています」
手入れを受けたマウント・オリベット教会は20年の歴史があり、信者数は約170人だとICCは伝えている。
中国では、政府の承認を受けている教会のみが合法とされ、全ての家の教会(地下教会)は「不法な集会」とみなされる。しかしここ数カ月は、公認教会も政府によるこのような取り締まりの対象となっている。
南東部にある温州市の教会は先日、教会の十字架を守ろうとして警察に立ち向かい、ニュースになったばかりだ。この教会の信者らは、2カ月以上にわたって毎晩夜通し祈りをささげながら十字架を守り、その衝突の様子は何度かビデオ映像で伝えられた。
「中国政府が行っていることは非常に野蛮です」と、地元の教会リーダー、チェン・ツィーアイさんは米CNNに語った。
この7月、中国でよく知られるツァン・シャオジー牧師が懲役12年の刑に処せられたが、その理由は民衆を集めて「公の秩序を乱した」からだとされている。ICCやその他の監視グループは、この事件を中国がキリスト教の拡大を阻止しようとしている証拠の一つとみなしている。
「この事件は、無実の教会リーダーを犯罪者に仕立てることによって、中国政府が宗教的弾圧を隠蔽し続けていることを示しています」と、チャイナエイドのボブ・フー代表は当時語っていた。