日本のキリスト教文化に功績のあった人々を顕彰する日本キリスト教文化協会は20日、第45回目となる今年の顕彰式を教文館9階ウェンライトホールで行った。今年は、ルター研究の第一人者で牧師の徳善義和氏(ルーテル学院大学名誉教授)と児童文学者の松居直(ただし)氏がキリスト教功労者として顕彰された。
ルーテル学院大学によると、同大学関係者の顕彰は、昨年の前田ケイ名誉教授に続き2年連続。また、徳善氏が所属する日本福音ルーテル教会によると、同教会では過去に、岸千年氏(第10回、1979年)、山内六郎氏(第16回、1985年)、青山四郎氏(第21回、1990年)の3人が顕彰されている。
同大学によると、顕彰式には約80人が参加。礼拝と祝会の二部構成で行われ、礼拝では日本キリスト教文化協会の代表理事である近藤勝彦氏があいさつし、徳善、松居両氏の功績が紹介され、記念品と花束が贈呈された。徳善氏は、長年にわたるルターや宗教改革の研究業績が主な顕彰理由になったが、日本キリスト教協議会(NCC)で議長を務めるなど広く日本のキリスト教文化に貢献したことも評価されたという。
一方、児童書を中心とした出版事業を行う福音館書店に創業時から携わり、同社の編集部長、社長、会長を歴任した松居氏は、1996年には日本児童文芸家協会から児童文化功労者の表彰を受け、97年にはキリスト教視聴覚教育センター(AVACO)のキリスト教視聴覚教育賞を受賞している。
キリスト教功労者には、音楽や美術、文学、教育、医療、神学などさまざまな分野でキリスト教文化に功績があった人々が選ばれており、昨年は前田ケイ氏の他に大島良雄氏(関東学院大名誉教授)と齋藤正彦氏(女子学院理事)の計3人が顕彰されている。