キリスト教出版販売協会が主催した「2014年 第4回キリスト教本屋大賞」を、八木谷涼子著『もっと教会を行きやすくする本』(キリスト新聞社、2013年11月)が受賞した。全国のキリスト教書店の中には、店頭でこの受賞を強調して示しているところもある。
同賞は、2013年発行のキリスト教書の中から、加盟書店スタッフの投票により選ばれている。今年3月末締め切りの一次選考で上位10点がノミネートされ、さらにノミネート書籍10点から再投票を行い、大賞が決まる。
投票形式のため受賞理由は明らかではないが、同賞のフェイスブックには選出候補書籍について、「2013年1月1日~2013年12月31日発行のもので、日キ販の流通を通ったもの。神学書・信仰書などのジャンルは問いません。とにかく読者にお奨めしたい本」という基準が記されている。
同賞の実務委員長である関達夫氏(恵泉書房社長)によると、授与式は今月1日、桜美林大学多摩アカデミーヒルズで行われた。著者が都合により欠席のためコメントを代読したという。著者の八木谷氏は、自身のウェブサイトで、その時は先約があったとしながらも、「多くの方々に支えられて本が刊行でき、この賞に至ったこと、しみじみありがたく、感謝する者です」と、文章で受賞について感謝の気持ちを表している。
過去の大賞には、第1回に日野原重明著『愛とゆるし』(教文館、2010年)、第2回に山浦玄嗣(はるつぐ)著『ガリラヤのイェシュー』(イーピックス出版、2011年)、第3回に渡辺和子著『置かれた場所で咲きなさい』(幻冬舎、2012年)がそれぞれ選ばれている。
これらに続いて今回大賞を受賞した『もっと教会を行きやすくする本』は、著者によれば、新来者が「教会で最初に受ける対応」に的を絞ったという。新来者の視点から、その対応の仕方やあり方について、「教会に行くまで」「はじめて礼拝に出てみる」「礼拝の難しさ」「教会とインターネット」といった側面から、多角的かつ具体的に述べられている。
ただ、実際にこの本によってどれだけ教会をもっと行きやすくできたかという、その効果については、まだ検証に時間がかかるであろう。人が教会へ行きにくいと思う原因には、教会側の具体的な対応のあり方にとどまらず、例えば日本の宗教文化といったもっと根本的なものがあるのかどうかについても、検討の余地があるのではないだろうか。