クリスチャン作家・三浦綾子のデビュー作にして代表作である小説『氷点』が世に出てから今年で50年目となる。三浦綾子記念文学館と三浦綾子記念文化財団らは、今年限りの「三浦綾子文学賞」を創設するなど、記念事業を行っており、4月には三浦綾子の単行本未収録エッセイなど、新刊2冊が発売される。
発売されるのは、三浦綾子のエッセイ集『ごめんなさいといえる』と、三浦綾子記念文学館の特別研究員で三浦綾子読書会代表を務める森下辰衛氏による解説書『「氷点」解凍』の2冊。
『ごめんなさいといえる』は、2章構成で、1章には『氷点』にまつわるエッセイ、2章には『泥流地帯』をはじめとする他の作品にまつわるエッセイや、短歌、忘れ得ぬ人々のことを綴った三浦綾子の言葉が収録されている。また、国内初公開となる三浦綾子の夫・光世氏(現在、三浦綾子記念文学館館長)の日記も収録。光世氏の日記、光世氏へのインタビューから、『氷点』の原稿完成までの経緯や、懸賞小説発表までの三浦夫妻の心境を明らかにした解説原稿も付く。
もう一冊の『「氷点」解凍』は、森下氏が同文学館で2011年から2012年に行った12回連続講演「読みつくす『氷点』」に加筆した、森下氏による初の評論集。三浦文学のテーマと本質をわかりやすく綴っており、同文学館は「モノと金にまみれ、心の豊かさを忘れがちな我々の心に響くメッセージに、是非触れて下さい」と紹介している。
価格は、『ごめんなさいといえる』が1512円(税込)、『「氷点」解凍』が1836円(同)。出版社はともに小学館で、発売日もともに4月21日。三浦綾子記念文学館WEBショップほか、全国の書店で発売される。