北海道旭川市出身のクリスチャン小説家、三浦綾子(1922〜1999)のデビュー作にして代表作である『氷点』が、今年で世に出てから50年を迎える。同市の三浦綾子記念文学館と、同文学館を運営する公益財団法人三浦綾子記念文化財団は、これを記念して今年限りの「三浦綾子文学賞」を設け、小説作品を募集している。
三浦綾子の長編小説『氷点』が朝日新聞社の1千万円懸賞小説に当選したのは1964年。同年末から同紙での連載が始まり、1966年には出版され大ベストセラー作品となった。その後も映画化やラジオドラマ化、テレビドラマ化され、世界各国でも翻訳され、小説『氷点』は『続氷点』と合わせて810万部を超える不朽の名作となった。
同文学館と同財団ではこれを記念するため、朝日新聞北海道支社、北海道新聞、朝日新聞出版と共催で、今年限りの三浦綾子文学賞を創設。「三浦綾子の作家精神に沿った斬新な視点にもとづき、困難な時代を生き抜くうえで糧となる力作」を募集している。選考は第一次選考で3作を選考し、現代詩作家の荒川洋治氏、小説家の加藤幸子氏、ロシア文学者の工藤正廣氏の3氏による最終選考で1作を選ぶ。受賞者には副賞として50万円も贈られ、受賞作品は出版もされる。
応募受付は2014年6月30日(月)(当日消印有効)まで。応募者の国籍、性別、年齢は問わないが、日本語の未発表作品である必要があり1人1編まで。他の文学賞、公募への重複応募は認められない。分量は400文字詰原稿用紙換算で200枚〜250枚。募集部門は小説のみ。詳しくは応募要項を参照。
一方、同文学館・同財団ではこの他にも、▽小説『氷点』50年記念出版、▽『氷点』3連続企画展、▽三浦綾子の童謡詩を倍賞千恵子が歌う、▽朗読会「“陽子”が読む『氷点』」、▽参加して楽しむー「氷点村」づくり、など様々な記念事業を企画している。