賀川記念館(神戸市)の設立50周年を記念した特別展「描かれた賀川豊彦」が今月から同記念館で始まった。賀川豊彦(1888~1960)と交流のあった画家・長尾己(き)(1893~1985)の作品を中心に展示し、キリスト教社会運動家として世界的に知られる賀川豊彦の“描かれた”姿に触れる貴重な機会を提供する。
賀川は、神戸神学校在学中の1909年に、神戸のスラム街に自ら住み、貧しい人々の救済活動を行った。戦前の労働運動や農民運動、生活共同組合運動など幅広い分野で運動を起こし、キリスト教の博愛の精神を実戦。日本農業組合の創設者であり、「生協の父」などと呼ばれる。「貧民街の聖者」として日本はもとより世界的にもその名と活動が知られている。
今回の特別展では、水彩画では『評伝 賀川豊彦』(武藤富男著)のキリスト新聞掲載時の挿絵、油彩画では、賀川豊彦記念松沢資料館、賀川記念館、鳴門市下側豊彦記念館に所蔵されている肖像画など、貴重な資料が展示される。
特別展は2月1日(土)から3月30日(日)まで、賀川記念館(神戸市中央区吾妻通5-2-20)の4階ミュージアムで開催されている。午前10時から午後5時まで開館(入館は午後4時半まで、月曜日休館)。入館料は一般300円、学生100円。問い合せは、同記念館(電話:078・221・3627、メール:[email protected])まで。