米国の牧師ティム・ラヘイの終末論研究をもとに、ジェリー・ジェンキンズが小説化し、1995年の出版以来、全米でシリーズ累計6300万部以上の売り上げを記録している『レフト・ビハインド(LEFT BEHIND)』が、ニコラス・ケイジ主演で映画化され、米国で10月3日に公開される。
「万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい」(1ペテロ4:7)とペテロが手紙を書いてから、早くも2000年近くが経った現在。ヨハネの黙示録に記された、この世界の終末にまつわる預言が現代社会で実現したら、どういった事態が想定されるのか。
原作小説『レフト・ビハインド』の物語は、突然同時刻に多くの人が消失する場面から始まる。消失した人がいた所には、身に着けていた服だけが残され、宇宙人の仕業なのか、新しい自然現象なのか、周囲の人々はパニックに陥る。
主人公のレイフォード・スティールもその一人。妻と息子が消失し、途方に暮れる中で彼が向かった先は、妻と息子が熱心に通っていた教会だった。そこに残されていた1本のビデオテープから、消失事件の真相が聖書の預言にある「携挙」であることが明らかにされる。日頃、信仰熱心な妻の話に耳を貸さなかったことを悔い改め、信仰に立ち返ったレイフォードは、差し迫る大患難時代への備えを始める。
米国では、本シリーズ12巻に続き、『The Rising』『The Regime』『The Raputure』『Kngdom Come』の新シリーズ4巻が既刊。あわせて、キッズシリーズ、ミリタリーシリーズなども刊行されており、ゲーム化もされるほどの人気がある。日本では本シリーズ12巻が、いのちのことば社より出版されている。
原作の映像化は、今回が初めというわけではない。2000年から05年にかけて、敬虔なクリスチャンで知られる米俳優のカーク・キャメロンを主演に3本の映画が製作されている。俳優だけでなく、スタッフもみなクリスチャンであった。日本では、そのうちの1巻目が「レフト・ビハインド」、2巻目が「人間消失 トリビュレーションフォース」と邦題がつけられ、DVD化されている。
今作品のプロデューサー、ポール・ラロンドは、米ニュースサイト「ワールド・ネット・デイリー」のインタビューに応え、「私が『レフト・ビハインド』を気に入っているのは、聖書に基づいた映画だということ、聖書的なストーリーであるということ、まだ実現していないというだけで、それが真実であるからだ」と話す。だからこそ、教会に行っている人々だけではなく、より多くの人々が聖書の預言のメッセージを知ることができるように、大きな映画館で上映されることを願っているという。「今回の新しい映画は、より多くの予算とより多くの注目を集める俳優のおかげで、最大の機会を与えられている」と期待を語る。
今作品で主演を務めるニコラス・ケイジは、1995年の『リービング・ラスベガス』でアカデミー賞主演男優賞を受賞した、ハリウッドを代表する俳優。記者会見では、牧師である弟のマーク・コッポラが出演を勧めたこと、出演が決まった際には非常に興奮していたことを明かしている。
「この映画は『ノア 約束の舟』『サン・オブ・ゴッド』と同じように、聖書に基づく映画だ。ただし、誰もサンダルを履いていないけどね」とラロンドは語る。これは、現代社会でのことであり、まさに今日のことであるのだ。携挙、また携挙に関する偉大な出来事は、それがもしかしたら今日の午後、文字通りに起こるかもしれないと言う。
原題は『LEFT BEHIND -THE END BEGINS-』。日本での公開は未定。
「Are you ready?」というキャッチコピーからも分かるように、多くの人々に再臨の主に会う備えができているかを問い掛ける、そんな作品になっているようだ。
■ 映画『レフト・ビハインド(LEFT BEHIND)』予告映像