聖書の中の物語を扱った映画『ダビデとゴリアテ(David and Goliath)』が、2015年春に全米で公開される。この映画の主役であるダビデ役に選ばれたのは、あるロンドン在住の青年マイルズ・スローマン氏。4千人以上の候補者の中から選ばれた期待の新鋭だ。
この大型予算映画の主役のオーディションは、ロサンゼルス、ニューヨーク、トロント、ロンドンで行われた。スローマン氏がダビデ役に決定する前に、もうすでに北アフリカと、ロンドンにあるスタジオで主要な写真撮影は終えているという。
同映画のティム・チェイ監督は、「マイルズがオーディションを受けたとき、すぐに彼がダビデになると分かった。彼こそが、巨大な戦士を倒すことができる若いダビデ王だと直感した」と言う。また、「撮影のヘリコプターが近過ぎ、ロバのセットから落ちたときには、勇気と意気込みを見せてくれた」と、ちょっとしたエピソードも語った。
スローマン氏のツイッターによれば、現在彼は22歳だ。
「われわれは、並外れた俳優を探していました」と語るのは、ロサンゼルスでのキャスティングに関わったケリー・ジェイコブス氏。「だから、世界中でオーディションを行うことに決めたのです」と言う。
映画は、聖書の物語のうちの一つ、巨大なペリシテ人戦士ゴリアテと、未来のイスラエルの王となるダビデとの戦いを描く。リバー・レイン・プロダクションズにより制作され、予算は5千万ドル(約50億円)と言われている。
今年4月に米クリスチャンポスト紙との独占インタビューで、チェイ監督は約11年前からこの映画の構想を練っていたことを明かしている。
「映画『アラビアのロレンス』のような壮大なスケールで、それも忠実に映画を撮影することが必要だと気付きました。この話は信仰において、聖書の中で最も驚くべき物語のうちの一つです。からし種よりもずっと素晴らしい信仰の話です」と、チェイ監督は言う。
最近のハリウッド映画では、聖書をテーマした映画でも、大衆受けを狙い聖書に忠実でない内容に変更する場合が多いが、チェイ監督は、『ダビデとゴリアテ』は聖書に忠実のでご安心を、ときっぱり言う。
「しかし、私はペリシテ人がどんなに残忍であったか、またゴリアテはどんな人物であったのかということを、歴史的な記述からも研究し、映画の中に取り入れたいと思っています。また、ゴリアテがサウルの軍隊に与えた大きな恐れについても鮮明にさせたい。また、ダビデの兄弟たちについても、自分たちの幼い弟が、身長約270センチの大男に立ち向かっていくことを目の当たりにし、流したであろう激しい涙についても描写していきたい。この話は、一歩間違えばシェークスピア的な悲劇となりうる話。しかし、神により勝利へ至る話なのです」とチェイ監督は語った。
また、チェイ監督は、映画を見に来た人たちが「感動して涙し、真の生ける神への信仰を高める」ことを期待していると付け加えた。
「私は、皆さんの信仰生活がぬるま湯の中にある状態から脱却してもらいたいと思っています。神のために立ち上がり、私たちの生活の中に入ってくる悪魔的な巨人を撃退しましょう」とチェイ監督は述べた。