ウクライナ正教会(キエフ派)の最高指導者が、ロシアのプーチン大統領はサタンに取りつかれているとして非難した。同教会の最高指導者であるフィラレート・キエフ総主教は、プーチン大統領を名指しすることは避けつつも、旧約聖書の創世記に出てくるアダムとイブの息子で自分の弟を殺したカインにたとえた。
「とても残念だが、この世界の支配者たちの中に、洗礼を受けて正教会に属しながらも、名前ではなく行いにおける、本当の新たなカインが現れたということを、いま公言しなければいけない」と、同総主教は述べた。「これらの事柄は、史上初の兄弟殺しであるカインである上記の統治者が、サタンの行いの下にやって来たことを示唆している」
この声明文は、ロシア語とウクライナ語、および英語による同教会のウェブサイトで公表された。
「彼はウクライナの国民に対して自分を兄弟だと呼んでいるが、しかし実際は彼の行いによって、彼は本当に新しいカインとなり、兄弟の血を流して、全世界をうそに陥れているのだ」と、同総主教は述べた。
同総主教のこのコメントがなされたのは今月5日で、ウクライナ東部における停戦合意が打ち出されたのと同じ日であった。
フィラレート総主教は、「ウクライナに関する皮肉なうそを広めて」その国民に対する敵意や独立して自らの主権国家を建設したいという彼らの願望の種をまいているのはプーチンであると述べた。
「彼はむき出しの見え透いたうそを言い、報酬目当ての殺人者たちを組織しては私たちの国へ送り、彼が関わっていないとされる『国内紛争』について語り、彼の部隊をウクライナへ送り、それらの戦力はそこにいないと公言してはばからないのである」と同総主教は述べた。
一方、ウクライナのローマ教皇大使であるトマス・ガリクソン大司教は、西洋諸国はロシアの侵略に対して行動すべきだと述べた。ロシアとウクライナの停戦合意のあった5日にウクライナ宗教情報サービス(RISU)が伝えた。
ガリクソン大司教は、「ここ半年の間にウクライナで善のための非常に多くの前向きな成長と意志がみられたので、私はロシアの侵略に反対して西洋がもっと決定的な関与をするよう勧める」と述べた。
一方、これらについてロシア正教会は公式ウェブサイトで特にコメントを発表していない。