【CJC=東京】バチカン(ローマ教皇庁)財務省長官ジョージ・ペル枢機卿は、バチカンの財務・財政改革の進展について9日、説明した。
教皇フランシスコは、ベネディクト16世の後を引き継ぎ、バチカンの財政システムの健全化に取り組んできた。
バチカン放送(日本語電子版)によると、教皇は今年2月に自発教令「フィデリス・ディスペンサトール・エト・プルデンス」を発表した中で、教皇庁とバチカン市国の諸機関の財政運営、管理、財務業務に方針を与える財務評議会設立が明らかにした。同時に、教皇に直結し、各組織の財務をチェックする財務省も創設された。
ペル枢機卿は、教皇フランシスコが財務・財政問題の早い改善を望んでおり、まだ多くの課題があるとしながらも、これらの改革が順調に進んでいる、としている。
また財務評議会によって指摘された財務上の問題の解決のためにプロジェクト・マネージメント・オフィスの設立が発表された。さらに教皇庁内の改革として聖座財産管理局を財務省の組織下に移動することが明らかになった。
「バチカン銀行」(宗教事業協会)では、エルンスト・フォン・フライベルグ会長のもとに行われた健全化・透明化を目指す作業の成果を受け、今後改革の第2段階に入るとして、新会長にジャンバティスト・ド・フランシュ氏を任命、引き続き改善に力を入れると言う。