【CJC=東京】英国国教会のジャスティン・ウェルビー・カンタベリー大主教は16日、バチカン(ローマ教皇庁)を訪問、教皇フランシスコと会見した。大主教は、「現代における新しい奴隷制」への反対運動のためにローマを訪れていた。
前日の三位一体の祝日、ウェルビー大主教はローマのサン・グレゴリオ・アル・チェリオ教会で夕べの祈りを行った。バチカン放送(日本語電子版)は、教皇が、聖大グレゴリウス教皇による修道士アウグスティヌスのイングランドへの派遣から始まった英国のキリスト教の歴史を回想。その栄光の歩みに、深い共通の伝統と、兄弟としての固い基盤を指摘したと報じている。
教皇は大主教に、「アングリカン・カトリック国際委員会」を通してエキュメニカルな取り組みがより深まることを要望した。
また、教皇は人身売買と今日における様々な新しい奴隷形態について大主教と共通の関心を示し、人間の尊厳に対するこれらの赦しがたい悪と闘い、その悲劇的売買の犠牲となった人々の苦しみを和らげなければならないと強調した。
バチカン放送は、教皇が最後に、「三つのPを忘れてはなりません」と言い、「Prayer(祈り)、Peace(平和)、Poverty(貧しい人々)」を挙げたと報じている。「わたしたちは共に歩むべきです」と言う教皇に、ウェルビー大主教も「共に歩まねばなりません」と答えた。
教皇フランシスコは、昨年6月に同大主教とバチカンで最初の会見を行っている。