東京都内の図書館や大型書店で『アンネの日記』やアンネ・フランクの伝記など関連書籍300冊余りが破られた事件で、器物破損容疑などで逮捕された無職の男(36)=東京都小平市=が、精神鑑定の結果、犯行時に心神喪失の状態にあったと診断された。これにより、東京地検は刑事責任を問うのは難しいと判断し、近く男を不起訴処分にする見通しだ。NHKなどが伝えた。
男は一連の事件について関与を認めていたが、動機についての説明では、『アンネの日記』が悪魔によってばらまかれた本だなどと不可解な言動を取り、約2カ月にわたって精神鑑定が行われていた。
一連の事件は昨年2月から発生。都内5区3市の図書館や書店で被害が出た。杉並区は最も被害が大きく、11の図書館で120冊余りの被害が確認されている。
警察は今年3月、豊島区内の書店に無断でビラを張ったとして、建造物侵入容疑で男を逮捕。さらに男は、今年3〜4月の間に、杉並区の図書館で40冊以上の書籍を破損したとして、器物破損容疑などで2度にわたって再逮捕されている。